企業風土・企業文化の担い手は「ヒト」であるとともに、ヒトの結合体である「組織」です。
組織といっても部署といったハードのところではありません。
企業は「ヒト」の育成のために研修などの人材教育を行うのですが、ヒトの結合体としての「組織」の変革のために何らかのアクションを起こしている企業は僅少です。
ワタシは、人材教育のための費用は、コストではなく投資として計上すべきと常々思うのですが、「組織変革のためにかかる費用も投資として考えるべき」との組織開発 (OD= Organization Development) の専門家の方のお話をうかがい膝を打ちました。
さて、
人口減少や経済環境の悪化の中で、従来型のビジネスモデルが八方塞がりになり、顧客本位の持続可能なリレバン型ビジネスモデルへの大転換を図ろうとしている地域金融機関は、いまや主流派です。
しかしながら、大転換が成就しているところは、ほとんどありません。
「専門部署を作ったり、業績評価を見直したり、人事制度を変えたり、人材教育に力を入れたり、業務や事務の改革などをやっているのだが、組織的継続的なリレバンにつながらない。なぜ変われないのだ。」
こういう苛立ちの声がワタシの耳に数多く入ってきています。
OD専門家の見立ては明快でした。
「企業風土・企業文化を形成する“ヒトの結合体としての組織”がまったく変っていない。それどころか、“ヒトの結合体としての組織”というものの認識すらない。」
情報産業大手や大手製造業はODに注目し、企業風土・企業文化の改革に着手しているそうです。
第一勧業信用組合の新田理事長のように、すでにその重要性に気づき、組織開発に取り組んでおられる経営者もいないわけではないですが、ほとんどの地域金融機関の経営者は、“ヒトの結合体としての組織“の重要性の理解はおろか、その存在の認識すらない、このことが大きな問題です。
コメント
ありがとうございます。全く同感です。
私と当組は、ここまで来るのに5年かかりました。この悩みに至る経営者は立派な方だと思います。
当組は、管理会計上、費用と人的投資を分けようとしています。本気で対話型組織開発に取り組んでまいります。
結局、職員ひとりひとりとの対話を通じて、生き方を語り合わない限り、当組の未来は拓けないと覚悟を決めました。これが、当組の働き方改革の本質です。
ぜひ皆さんと議論したいです。
「専門部署を作ったり、業績評価を見直したり、人事制度を変えたり、人材教育に力を入れたり、業務や事務の改革などをやっているのだが、組織的継続的なリレバンにつながらない。なぜ変われないのだ。」とは切実な声ですね。どこか良くないのでしょうか? それは、上記の文章の主語がすべて「私(トップ)」だからだと思います。従業員に「やらされ感」があっては組織的あるいは継続的な革新になるはずがありません。主語が現場の一人一人にならない限り成功はありません。そのための解決策のひとつが私たちは社内SNSだと思っています。
「学習する組織」「成人発達理論」「ティール組織」を真面目に読んだり、学んで、試行・研究・実践している金融機関の経営者はどれ程いるのでしょうか。お話にならないレベルだと思います。金融機関は。時代は遥かに先を行っています。