拙ブログで一番多くのコメントをいただいたのは昨年11月7日「すべてcomply ?」です。
コーポレート ガバナンス コードの各原則に“すべて”同意して実施する (フルコンプライ) ことへの疑問を書いたのですが、ワタシ自身が社外取締役を務めていて、フルコンプライには違和感があります。
形式的にコンプライすること (骨抜き行為です) は簡単ですが、お茶を濁しているだけです。
実質を追求し、同意できないところは、エクスプレイン (実施しないで、その理由を述べる) すべきです。
先日、ある会議で聞いた話では、上場企業2千数百社のうち、フルコンプライの会社の比率は“2割以下”。ところが地域銀行 (含む持株会社) となると、“5割弱”がフルコンプライであるとのこと。
「地域銀行はコーポレートガバナンスコードへの対応も形式的だね、笑」
同席した X氏の言葉に二の句を継ぐことができませんでした。
さて、
昨日、ある会合で、コーポレートガバナンスに関する有識者の P氏から、言われました。
「これでも昨年のコードの改訂で、フルコンプライの比率は減ったんですよ。CEOの選任解任規定が新たな項目として入ったから。」
「経営トップは自分の進退問題にメスが入った途端に、声を上げるんですよ、笑」
イヤハヤ。
コメント
フルコンプライ比率の比較はとても興味深いです。多胡さんからたびたび指摘のある地域金融のトップマネージメントが貧相である点は完全に同意なのですが、私はそれは畢竟わが国の産業全体の課題ではないのかと推測しています。しかし、この比較では、そうとも言えないことになります。まあ、全上場企業との比較なら、本社が東京を中心に偏在している非金融セクターとほぼ全部が東京以外の地域金融では経営情報格差が影響してるのかもしれませんが。
取会の議題は、既に常勤ボードメンバーが複数回同じ議論をしているはずです。(本部部長の事前説明、経営会議、etc)
ここに見えないコストがかかっているように思います。一方、ほとんどの社外は取会一発勝負(事前説明1回程度?)です。これで適切な議論ができるのかしら???