ハートのある支店長を揃えられるか

このブログでは、しばしば地域金融機関の規模の大きいことのデメリットを書いています。

共同化や外部との業務提携などを本格的に進めていけば、組織というものは、そこそこの規模があれば十分だというのが、ワタシの基本的な考え方です。

合併というのは最後の最後の手段です。合併が目的化するなど論外です。某メディアは最近、合併を煽るような記事が激減しましたが、当然だと思います。

詳しくは、12月6日のブログ「合併について、整理しました」をご覧ください。

「地域金融機関は、①救済でもない限り、②全面片寄せでもない限り、合併なんてやるもんじゃない。」こういうことを、さんざんこのブログで書いており...

さて、

「大きいことのデメリット」の一つ (それもとくに難題) は、「経営の意思が現場に届きにくいこと」だと思います。

「経営理念→ 経営戦略」が明確な地域金融機関 (そういう金融機関はマイノリティですが) であっても、数千人の組織ともなると、現場では経営の思いとはまったく違う、とんでもない行動となって現れることが少なくありません。

組織的継続的リレバンどころではないのです。

経営陣や本部としては、現場に対して同じことを繰り返し言い続けるしかないのですが、ルールベースでしか動けない現場だと、応用問題になった途端にフリーズしてしまいます。

業績評価 (プロセス評価とか) で方向付けるというのはあるのですが、どんな評価システムを入れても、抜け穴をふさぐことは不可能です。

監査部門もマネージメント監査、すなわち現場のトップの経営手腕をしっかりと見ていくことが求められますが、多くの金融機関は着手したばかりです。

でも、これだけでは安心できません。

結局のところ、プリンシプルをしっかりと腹に落として、それに基づいて臨機応変に行動できる現場のトップ (支店長) の頭数をどれだけ揃えられるかがポイントになるでしょう。

地域金融機関の現場のトップは、表面づらではなくハートのある真の顧客目線を持ち、プリンシプルベースで行動できる人間でなければ務まりません。

某組織で今週、連続して起こった2つの事象から痛感したことです。

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コメント

  1. 路地裏の詩人 より:

    昨日まで、地域起こし協力隊の隊員向けの創業支援事業の講師を務めていました。隊員の皆さんは自治体の課題解決のため総務省の事業で派遣され、3年間の任期で活動しております。今回は活動任期終了後にその町で創業しようとする方々が対象でした。派遣されている自治体は人口3000人くらいで人口減少に悩む町や村ばかりですが、そこにも金融機関の支店があるようですが、今回の参加者は誰一人としてそこの支店長はおろか職員さんとの接点がありませんでした。小さな町の金融機関なら町の隅々まで知り尽くし、ましてやその町で創業を志す方々とのコミュニケーションを図ることは当然だと思っておりましたので驚きでした。これでは地域に生きる金融機関は虚像ではと考えざるを得ないのです。襟を正すべきです。

  2. 多胡秀人 より:

    路地裏の詩人さん、

    そうですか。

    残念ながら想像に難くありません。

    金融機関は自分のことしか考えない。高齢者への外貨建て保険販売で必死なんでしょうね。せめて一つぐらい例外があっても良いのにと思うのですが。