昔はデリバティブをやっていました

X 大学で13年間、教壇に立っていた時に、帳合米取引(ちょうあいまい) の話をしていました。

江戸時代の大阪 堂島で行われていた米の先物取引です。

堂島商人たちがデリバティブの先駆者であるとの話を、

「実践デリバティブ」

という授業の導入ネタとして活用しました。

当時、X 大学では教養課程でデリバティブ講座があったのですが、シラバスを見る限り、数式偏重のように思われました。

学生に話を聞いてみると「数学の授業みたいだ」。

オプション トレーダーしか使わないようなことを学生に延々と教えていることに違和感を感じて、ワタシの授業では、堂島の帳合米取引のほか、ポンド危機の際のジョージソロスの行動、日本株を大量に保有する機関投資家がブル型の日経ダウ インデックス債券を購入しまくった話、1980年代後半の金利上昇期に長期貸付債権の逆ザヤを円金利スワップで乗り切った地方銀行の話など、学生諸君でも興味を持ちそうな具体例を並べることにしました。

デリバティブを使う企業や機関投資家が当時、どのような思考回路にあったのか? などなど。

学生たちのデリバティブ嫌悪症の払拭の一助となったのではないかと思っています。

さて、

このたび東京商品取引所の貴金属や農産物といった商品先物取引が大阪取引所に移管されることになりました。

~大取は従来の金融に加えて商品先物も扱う総合取引所となり、国内のデリバティブ(金融派生商品)取引の中心になる。大阪は江戸時代に世界で先物を手掛けた歴史があり、「デリバティブの街」復活への期待が高まる。(日本経済新聞 関西版 3月29日)

デリバティブ取引は、取引所での取引よりも OTC (over the counter、相対取引) が主であるというのがワタシの体験からの認識ですが、今回の制度改革がこの新聞記事にあるように大阪復活の一助になれば何よりです。

 

 

 

 

 

 


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コメント

  1. 新田信行 より:

    GAVBにおいては、リアルエコノミーが全てです。私はデリバティブには、自分の人生をかけて、二度と取り組みません。地域金融機関は、デリバティブを否定すべきです❗

  2. 新田信行 より:

    GAVBにおいては、リアルエコノミーが全てです。私は地域金融機関がデリバティブを行うことを否定いたします。私は自分の人生をかけて、二度とデリバティブには取り組みません❗