隗より始めよ

新年度を迎え、地域金融機関にも新入行員たちが入ってきました。45年前の自分の姿を思い浮かべると、そのときの入社式や研修のことがフラッシュバックします。

当時は護送船団で規制の時代でしたが、米国では金利自由化や銀行証券の業際問題など変革の兆しが見られ、日本の新人銀行員の目にも「国際」、「国債」、「変革の時代」といった言葉が飛び込んできました。

さて、

本年度の入社式における地域金融機関のトップの訓示が新聞などで報道されています。

大転換期であることを意識して、新入社員たちに求めるものとして、「未来思考」「チャレンジ」といった言葉が並びます。

ところが、

こういう地域金融機関の新しい事業計画を見ると、過去の延長線上から飛び抜けたものは見当たりません。

「コンサルティング」「デジタル対応」などの文字はあるのですが、とても未曾有の大変革における事業計画とは思えません。

そもそもコンサルティングという話は、地域金融機関の生き残りのために2003年に事務ガイドラインの見直しで導入されたもので、何をいまさらですし、デジタル革命への対応も、お家芸ともいえる「小出し」作戦です。

「ルールベース症候群の役員の総取っ替え」「無意味な上場は廃止」ぐらいの施策を出さない限り、経営の覚悟を感じることはできません。

“隗より始めよ”です。

 


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コメント

  1. 東北の銀行員 より:

    事業計画を過去の延長線上から飛び抜けたものにするためには「戦略」自体を変える必要があるのですが、上場を維持する前提において、出来ることは精々が「戦術」の焼き直し程度でなのでははないかと思います(理由は以前のコメントの通りです)。

    経営陣が自分の保身ではなく、真に地域の為に「尽くす」腹を決めるのは、正に今なのだと思いますが。

    時間は限られています。

  2. 東北の銀行員 より:

    事業計画を過去の延長線上から飛び抜けたものにするためには「戦略」自体を変える必要があるのですが、上場を維持する前提において、出来ることは精々が「戦術」の焼き直し程度でなのでははないかと思います(理由は以前のコメントの通りです)。

    経営陣が自分の保身ではなく、真に地域のために腹を決めるのは、正に今なのだと思います。

    時間は限られています。