金融機関の業務のうち、事務周りの仕事はデジタライゼーションの波に飲まれると言われています。
メガバンクでは大量リストラが発表され、地域金融機関においてもその兆候が出ています。
事務周りの仕事をする人たちの中には、これを機会に営業推進の前線に出ることを厭わない人たちがいる一方で、そうもいかないケースをどうするか。
昨日、某地方銀行の幹部の方々との意見交換会では、このことが議論になりました。
ざっくばらんな話し合いの中で、一つの方向性が見えてきました。
「三人寄れば文殊の知恵」(昨日は3人以上でしたが、笑) を実感しています。
コメント
たしかに営業には不向きだけど事務は手早く確実というタイプも少なからずいます。私たちは、そういう人の価値を店舗内の具体的なエピソードで確認して、「事務のKANAME賞」とタイトルを授与しています。
増田氏が言われることもごもっともと思います。しかしながら、金融機関の営業とは、何かと言われると非常に範囲が広いと考えます。投信や保険を販売して手数料収入を得るとか、融資先を開拓し貸出を実行するとかは典型的な金融機関の営業と言えるでしょう。しかしながら、お客様と資産形成、住宅融資や相続手続などを親身になって相談に乗ってあげることも金融機関の営業であるとも言えるのではないでしょうか。それこそ、コミュニケーションスキルを磨いて、コンサルティングスキルを個々が競い合って上達していけば当該金融機関の企業価値も上昇するのではないでしょうか。先ずは各金融機関において、「営業」について定義すべきではないでしょうか。
当組は営業という言葉を無くしました。事務という言葉も支店にはありません。全て、サービスという言葉に統一しました。当然、営業職、事務職もありません。
支店の営業担当者であった時、担当しているお客さまとの接触回数は充分でなく、時間がいくらあっても足りないくらいでした。当然夜遅くまで残業となりましたがそれでも不十分です。
お客さま全員に直ちにコンサルの需要は発生せず、満期電話や、ご様子伺いのお電話だけでも喜んでくださいます。
事務担当の方々が「お客様フォロー課」となり、満期フォロー等活躍していただくと、お客さまに喜んでいただけると思います。
(込み入った話は連携する)
(営業職員の残業も減ります)
「本部から営業へ!」―。というのは、大手銀行でも大流行です。ところが「コンサル・顧客本位」の掛け声とは裏腹に、実際は手数料ありきの「営業」が主目的のようにも見えます。「顧客本位」とは金融庁のお怒り買わないための「金融庁対応」に過ぎないのではないでしょうか。
「お役に立とう」ということよりも、「いかに収益に繫げるか」が優先されるのです。本音は「本当のところ、お役にたっているか分からないが、自分たちさえ良ければそれでよし」です。
結果、その下心は容易に見透かされますので、金融仲介であろうと、資産運用であろうと、お客様は冷めた目で見ています。多くの方が銀行窓口を忌避するのもこのためです。怖くて、窓口に相談などとても行けません。かといってネットだけの取引も不安です。よく分からないまま、「よく分かっていない先輩」などに相談する。「ひたすら経費を使って赤字にして節税する」ということになるのもこのためです。仮想通貨がどうだとか、高利回りの投資案件とか・・・
「一番のお困り事に気づき→それに耳を傾け→解決に動いてくれる」の工程を踏まない限り、信頼関係は永遠に築けないでしょう。業務プロセスもシステムも業績評価も、この流れを支援するものでなければなりません。
「一番の収益貢献商品に気づき→それを客に悟られないように口八丁で売り込み→ノルマ達成を目指す」に、何の疑問も持たない人や組織が、営業強化とか何とかいろいろ言っても、これまで同様、無駄に時間が過ぎるだけです。こういうものを経営とは呼びません。
『頻度より深度』かもしれません。
快活で数多くお客様のところに行く者だけがお客様との距離を縮める事ができるのではなく、橋本さまの言われる通りお客様の欲求や価値観、置かれている現状、経験などを理解する者が信頼されていくように思えます。
支店が変わっても、前に担当していたお客様から今でも電話が掛かってくる者がいますが、そいつは比較的おとなしく、二次元大好きな、一見内向きなやつです(笑)。私もそいつを信頼しています。
>支店が変わっても、前に担当していたお客様から今でも電話が掛かってくる者
お客様から良い意味で「追跡される」、「泣かれる」、「指名される」。確実に何かが「ある」のです。