コンサルティングは、いまや地域金融機関の業務の中の主役です。
「資金繰りを安定させて、本業支援によって取引先の企業価値を向上させること」
中小零細企業向けのコンサルティングの“目的”はこれだと、ワタシは思っています。
これであれば、地域金融機関の経営理念に合致する業務であり、誰も異論はないでしょう。
地域金融機関が品揃えをしている「ソリューションメニュー」(その中には外部連携によるものもあります) は、“目的”を達成する上での“手段”となりうるものです。
しかしながら、“手段”を“目的”化させて、ソリューションメニューありきの営業が目立ちます。
ソリューションメニューの件数が業績評価に入っている、などという話を聞くと気絶しそうになります。
これではプロダクトアウトの物売りと何ら変わりはありません。猛省!
確かにプロダクトアウトに汚染された現場の体質を変えることは至難の技です。
それだったら、ソリューションやコンサルティングなどと美辞麗句を並べる前に、中小零細企業の価値向上に直結する、当該顧客の商品サービスの販売支援というプロダクトアウトに集中すればと思うのですが、そこまで徹底している地域金融機関はわずかです。
地元顧客は金融商品サービスを売る相手であり、地元顧客の商品サービスを売ることは、金融機関たるものの仕事ではない、とでもいう変な先入観(ワタシには理解不能ですが) でもあるのでしょうか。
それとも地元顧客に対する販売先としての「与し易さ」でもあるのでしょうか。そうなると優越的地位の濫用の懸念も出てきます。顧客本位からますます離れていきます。
外部業者の販売代理人になることがコンサルティングだなんて、大間違いです。
コメント
『人としての心』を忘れさせる仕組み、発揮できない業務運営、発揮すると×がつく評価方法・・・。そんな環境の中でもめげない金融マンを何人か知っています。彼らに対するお客様の『心からのありがとう』もたくさん聞きました。そういう声が大きくなり、経営も無視できなくなる仕組みでもあれば、彼らの人生ももっと輝くものになるのかなと思ったりします。