そのコメントに異議あり

《「取引先の情報を共有すれば、ビジネスマッチングの機会が生まれやすくなる。地元経済にはプラスだろう」横浜銀行と千葉銀行の業務提携について、北関東が地盤のめぶきフィナンシャルグループ(FG)首脳はこう評した。常陽銀行と足利ホールディングスが経営統合しためぶきFGも、互いの顧客情報を活用し、協調融資やビジネスマッチングを掘り起こしてきた経験を持つためだ。横浜銀の大矢恭好頭取は提携効果の目標について「3ケタ億円(100億円)以上を実現したい」と述べた。めぶき首脳は「資本提携に踏み込まずにどこまで引き出せるか」と、展開を注視する構えだ。》

7月18日の日経電子版、「強者連合」の衝撃、合従連衡を引き起こすか ~横浜銀・千葉銀提携 関東地銀に波紋(下)、の中の一節です。

文中にある、めぶき首脳の「資本提携に踏み込まずにどこまで引き出せるか」というコメントには大きな違和感を持ちました。

資本統合による重い負の側面、すなわち持ち株会社が加わることによるコスト増(機会費用も含む)や時間の浪費、文化の違いによる確執、ヒューマンアセットの毀損などを計算に入れれば、

“資本提携に踏み込まないからこそ効果が出る”

というのがワタシの一貫した考えだからです。

ですから千葉武蔵野アライアンス(CMA) にはスタート当初から応援メッセージを送っていましたし、今回の千葉横浜パートナーシップ(CYP) にも期待しているのです。

これまでの広域 (同一県内ではない) の持ち株会社方式の経営統合が低評価なのは、業務提携では不可能な、経営統合をしたからこそ初めて可能となった施策というものを示せていないからです。

持ち株会社形式の経営統合でも合併でも、救済色のあるものを除外すれば、その本質は資本統合で厚みの出た資本を活用し、いかに地域の企業価値を高め、地域経済を発展させるかというところにあります。

経営統合した銀行グループが、新たに温泉街の面的再生したり、新しい産業を興すようなことが出てくれば、つまり地域のためにリスクマネーを積極的に出すのであれば、資本提携に高い評価が下されるのです。

 

 

 

 

 

 

 


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