某地域で信用金庫の幹部の方たちとの意見交換会を行いました。
ワタシの方からは、「ヒトという無形資産、リレーションという無形資本の重要性」を強く訴えました。
一番質問が多かったのは、「ノルマの撤廃と業績評価」。
どうやらノルマ廃止は旬なテーマのようです。
「ノルマを撤廃すると収益が減るのでは?」との懸念、よくいただくお題です。
ノルマで収益がかさ上げされるとしても、ノルマによって崩壊するヒューマン・アセットやリレーションシップ・キャピタルの大きさを秤にかければ、答えは明らかです。
そもそも、上場地銀じゃあるまいし、協同組織金融機関なのになぜ収益拡大だけにこだわるのか理解に苦しみます。短期的収益を求めるだけの株主からのプレッシャーがないメリットを改めて認識してもらいたいもの。
自金庫本位から顧客本位へと大転換する中で、収益低下を招いたとしたとしても、顧客や地域社会にその理由をきちんと説明すれば済む話です (週刊〇〇のランキングなど無視すれば良い)。
「ノルマ廃止で“プロセス評価”を導入することで顧客本位のビジネスモデルを確立し、収益を上げていきたい。プロセス評価の具体的なやり方は?」
ノルマをプロセス評価で代替するという大胆な発想。
良くある質問ですが、どんなプロセス評価にも抜け穴があり、これだけで代替できる話ではありません。リレバンを本気でやる気のない人間は抜け穴さがしに目を皿のようにします。
結局のところ、顧客本位のリレバンの本質が腹に落ちている支店長の頭数を揃えること、足りなければ素養のある人間の中から人を選び支店長の速成教育を行うことしかありません。
コメント
「ノルマを撤廃すると収益が減るのでは?」とご質問されたのはどなたでしょうか。
現場の人には→「現場は顧客のお役立ちだけを考えてシンプルに行動すればいいのです。経営陣が考えることをあなたが思い悩む必要はありません。時間の無駄ですし、余計ななことです。顧客の幸せと笑顔だけを考えましょう」と答えましょう。
経営の人には→「現場が顧客のお役立ちだけを考えて行動すること自体が、経営理念と持続可能な収益を達成するようなビジネスモデルを考えるのが経営者たるあなたの仕事です。ノルマはロシア語で強制労働という意味です。せっかくですので、外国語を使わずに『強制労働を撤廃すると収益が減るんじゃないかと私は不安なのです』と日本語で組織内外で問いかけてください」と答えましょう。経営者として、時代遅れの資質と絶望的な感性をみなさんが判断してくださいます。
私も同様の質問を受けることが多いです。いつも適当に返答していますが、以下は正味の本音です。私は本当はこのような質問をしている時点でたぶん経営者としてアウトだと思います。そもそも他人に自分の経営方針を尋ねるという時点で経営者としては資質なしではありませんか。いかなる経営方針転換にも、メリットとデメリットの両面があり、そこを考え抜いて自己責任で決定するのが経営者でしょう。ノルマ撤廃であれ、働き方改革であれ、他人に言われて実行するようでは必ず失敗すると思います。
ヒトとリレーションを軽視しているため、ノルマという楽な道に逃げていると考えます。
長年現場にいますがノルマがあると「楽」なんです。その理由はノルマだけをやれば良いからです。非常に楽で頭もほぼほぼ使いません(笑)
そのため、お客さま、地域の事など全く考えないでしょう。
やっぱり、ポイントは支店長達だと思うんです。ノルマ中毒•ノルマ達成で評価されてきた支店長達は「ノルマを無くすと若手は何をすれば良いか分からないのではないか?」等と言います。ぼくは大爆笑しながら「いや、支店長さん。あなた自身が何をすれば良いか、分からないのではないですか?若手の方がわかってますよ」と言ってしまった事があります(笑)
ぼくらの仕事はお客さまが中心なんです。お客様はノルマ達成のアイテムではありません。ノルマが無くなれば、自分が任された地域を深く知ろうと努力し、お役に立つために日々邁進すると思います。
支店長であれ若手行員であれ、長野の銀行員さんのような人ばかりなら、トップは悩まないと思います。しかし現実はそうではありません。潜在的なフリーライダーはどのような組織にもいます。要はフリーライダーをどうするのかなのです。だからトップが悩むのだと思います。だからリレーションシップの計測が必要になるのです。
私は経営者ではないので断言できませんが、「ノルマを撤廃すると収益が減るのでは?」という懸念は、言い換えればノルマに伴う「推進」を止めることにより既存市場が他行の草刈り場になってしまうという懸念であり、そこには「他行の推進攻勢が厳しい中でウチだけ馬鹿を見るのではないか」という恐怖心が内在しているように感じられます。
私はこの数年間、推進を止め(営業推進役職としては失格ですが)顧客本位の本業支援を行ってきましたが、こちらが真に顧客本位に徹した支援を行う限り顧客が他行へ流れることは一切なく、寧ろ何があってもウチに相談するようになりますし、時間は掛かるものの結果的にしっかり収益として返ってきております。
「目的」としとてのノルマ廃止は論外ですが、例えばこのような取組をするために「手段」としてノルマを廃止するのであれば、他行攻勢の恐怖などは杞憂に終わると思います。
但しこういった取組を組織的に行うためには課題も多く(増田さんも仰ってますが)顧客本位を計測できる仕組み作りが必要になりますが、ここは経営者の腕の見せ所ではないでしょうか。
東北の銀行員さん、おっしゃる通りです。計測の仕組みなりそれに代わるものを用意するのは経営者の仕事です。長野の銀行員さんのような得難い金融のプロを活かすためにも。そして私個人としてはいつも名刺を余分に持ち歩くことが重要です(これは東北の銀行員さんにのみ理解される教訓ですけど)。
皆さまの内容の濃いアネックスで盛り上がっているところ話題を変えて申し訳ありません。アクセスあっと言う間に70万を超えました。おめでとうございます。計算では、来年の10月前に100万超ですね。多胡先生のキレのある独り言!今後も楽しみです。宜しくお願いします。
ノルマ=収益とのお考えは、職員に対する責任転嫁です。
素晴らしい役員や上司に憧れて「自らも後を追いかけたい、経営側にまわってみたい」と思えないからこそ出世願望が消えたり、退職してしまうのも自然の流れでしょう。
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チームで働く現場として私が個人的に最も厄介だと感じていた人は、スネオタイプの人間です。のび太君タイプはイライラすることはあるのですが結構癒しだったりしました。
勝手なイメージですが、スネ夫は「点数稼ぎの名人」、のび太は「不器用だけどお人好し」って感じですか?
それならしっくり来ますね(笑)