敗者への懐の深さ

上りの東海道新幹線で天王山を過ぎ、京都の市街地が見えてくると、ワタシは左手の小高い連山の凹みを確認します。

老ノ坂、

テレビドラマなどで、中国路に向かうはずの明智光秀が「敵は本能寺にあり」と決意表明する場所です。

京都駅到着の直前に桂川を越えますが、水色の桔梗の旗印を靡かせた明智の兵が粛々と川を渡るさまが脳裏に浮かびます。

大河ドラマ「麒麟がくる」の初回放送 (2週間遅れ) が待ち遠しいところですが、山背の達人から明智光秀由来のお菓子をいただきました。

京都東山 白川筋 「餅寅」の「光秀饅頭」。

本能寺の変から十数日後の山崎の合戦で秀吉に敗れ、坂本城に逃れる途中、小来栖で土豪に襲われて落命した光秀の首塚を守っていたのが江戸時代からの老舗「餅寅」。

光秀の首塚の参拝者への記念品としてできたお饅頭だそうです。

治世者に抹殺された敗者に対する、京都の懐の深さを感じつつ味わいました。

抹殺された敗者といえば石田三成を忘れるわけにはいきません。

山背の達人から、石田三成の旗印「大一 大万 大吉」(1人が万民のために、万民は1人のために尽くせば、天下の人々は幸福になれる) は、

“one team”

だとの解釈を聞き、にわかラグビーファンたちにも知ってほしいものだと思いました。

三成たち近江人は複式簿記も操ったと言われています。

近江人は凄い。

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