相談される全員運動

「全員コンサル」で機動力

本日の日経新聞の北国銀行 安宅頭取インタビュー記事です。

~「19年12月から営業店の約400人の法人担当者を含めた『全員コンサル』を打ち出した。これまでは営業店で案件を受け付けても、本部の担当者と連携する必要があった。営業店のみで対応できる仕組みを構築し、機動力を高める」(同記事)

「全員コンサル」、すなわち組織的継続的なコンサルティングというのは難易度が高く、一朝一夕にできるものではありません。

巷間伝えられるところでは、ここに至るまで北國銀行は用意周到にステップを踏んできたようです。

~「低金利政策で金利に差がつきにくくなるなか、付加価値の勝負になっている。(中略) ただ、他行もコンサル事業に力を入れている。今後は提案の質を競う地銀間の競争が激しくなる」(同記事)

金利競争は金利を下げるだけですから、誰でも簡単にできることです。

いまや猫も杓子もコンサルですが、ほとんどが“なんちゃってコンサル”、たまに本物があっても“属人的”で後続がない。

「高品質での全員運動」は見たことがありません。

北国銀行のレベルは難しいとしても、「現場がお客様から相談していただけるような存在になる」全員運動のレベルにはなんとか到達したいものです。

コンサル云々言う前に、まずは金融機関の自己本位の押し付け物売りからの脱皮です。

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コメント

  1. 橋本卓典 より:

    日替わり全然違うメニュー(笑)

    17日は、金融庁が貸出金利の上昇を監視していく話で、八代さんがシュリンクフレーションを指摘しました。
    18日は、貸出金利ではない付加価値を追求してくと北國銀行の全員コンサル運動

    思うに金融庁は、独占の概念を地銀に限っては変えた訳ですから、監視対象も変えるべきでは?貸出シェアが独占でも、県外からの他の金融機関の乱入で金利は上昇しないという識者の指摘があるのですから、もっと別のことを監視すべきでは?それは、地元事業者への寄り添いが増えたのかどうか、です。

  2. 東北の銀行員 より:

    当該行は数値目標撤廃とプロセス評価について当時の金融庁も好事例に取り上げていたこともあり、以来その取り組みには注目しておりましたが、構想から恐らく10年では利かないであろうプロセスを経たビジネスモデルがようやく完成されつつあるように感じます(非金利収入を稼ぐ方向性は私の理想とは少々異なりますが)。
    同行については、ノルマ廃止も然りですが「手段」と「目的」を間違えることなく地に足のついた経営を邁進された結果として今の方針があるのだと思います。

    これはもちろん簡単に真似のできるものではありませんが、八方塞がりに陥っている経営者の方々に大いには参考になるのではないでしょうか。何事も遅すぎるということはないと思います。

  3. 長川康一 より:

    現状の金融機関人材が定額課金でコンサル契約実績を上げるのは難しいと思います。
    まずは、多胡さんが示されるようにコンサル業務というよりは「お客様から相談いただける資質」の育成です。そしてお客様の置かれている現状に身を置いて相談されたことを考える姿勢・真剣さが必要です。すぐに自社商品の売り込みのチャンスと考えるようではコンサルタントとは言えないと思います。