新型コロナ対応、この違いって何ですか

先週は新型コロナによる企業倒産が顕在化しました。

~愛知県で旅館を営む冨士見荘(愛知県蒲郡市)が21日までに事業を停止していたことが東京商工リサーチの調べで明らかになった。近く名古屋地裁に破産申請する予定。負債総額は非公表。新型コロナウイルスの感染が広がる中、中国人観光客のキャンセルが相次ぎ業績が悪化した。同社によると、コロナウイルスの影響による破産は全国でも初めてという。(日経電子版、2月25日)

さらに、北海道では、

~食品製造の北海道三富屋(北海道栗山町)が25日、札幌地裁岩見沢支部から破産手続きの開始決定を受けた。帝国データバンクによると負債総額は7446万円。新型コロナウイルスの感染拡大を理由とする経営破たんは北海道で初めて。同社はコロッケ製造やレストラン運営を手掛け、2012年8月期には売上高1億1千万円を計上していた。新型コロナの感染拡大で来場者が急減し、21日に自己破産を申請した。(日経電子版、2月26日)

http://www.tdb.co.jp/tosan/syosai/4657.html

地元の有識者に確認したところ、北海道三富屋のメインバンクは北海道に本店を構える銀行、準メインは地元の信用金庫とのこと。

ところで、28日の日経電子版には次のような記事がありました。

~北海道の土屋俊亮副知事は28日、北洋銀行の安田光春頭取、北海道銀行の笹原晶博頭取と相次いで会談し、観光や小売業など新型コロナウイルスの感染拡大により資金繰りに悩む企業への支援を求めた。(中略) 北洋銀の安田頭取は「借り入れの相談があったところにはスムーズに対応していく」と前向き。北海道銀の笹原頭取も「いろんな業種への影響が想定されているので、しっかり対応したい」と応じた。

この記事を読んで、「なんか他人事だな、本気度が感じられないな」と感じたのはワタシだけでしょうか?

ちなみに同じ北海道の地域金融機関でも、2月4日の段階で下記のような迅速な対応をしているところがあります。地元の北海道新聞でも報道していませんが。

https://www.wakashin.co.jp/news/20200204_corona.pdf

礼文島から見た利尻富士


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コメント

  1. 橋本卓典 より:

    「ひとごと」です。

    最近、損失回避行動と利益獲得行動の差を感じます。ダニエル・カーネマンはじめ、心理学、行動経済的なアプローチの方々は、損失回避の方が人はDNAレベル(木から降りて生活し始めたご先祖様たちの危機管理)で腰をあげると主張します。確かに、マスク枯渇、トイレットペーパー枯渇による損失回避のためなら時間と労力を惜しまずに並びますが、石鹸100個、先着10人無料でもらえますよと言われても私は並びません。価値観の問題ではありますが。

    地域金融のひとごと。なぜ、ひとごとなのか。心理的構造はどういうものなのか。損失回避、利益獲得で考えるとどうなのか。或いは、違う考え方が適当なのか。

    ドラッグストアに並びながら考えました。「本日、天気晴朗なれども、マスクなし」

  2. 八代恭一郎 より:

    さすが稚内信金さんですなぁ。
    同じファイナンスであっても、ミドルリスクすらとらずに年度末のボリュームを増やしたい、かっこいい経営志向の地域金融機関であっても、こんな申込対象の制限付き短期融資ならできるんじゃないですかね。通販マスクばりの5%くらいの約定金利設定で。

    【申込可能なお客様】
    ・コロナウイルス流行以前過去3年間黒字決算
    ・原則要担保・代表者保証、ただしコロナウイルス流行影響で、“予定をしていた売上を急遽回収できなくなり、事業上恒常的に必要な従業員や仕入先への支払原資を急遽失った”お客様で、この事実が当行預金口座の履歴から確認できるお客様に限り、担保・代表者保証は不要

    たぶん、かっこいい経営志向の地域金融機関なら、お客様もコロナウイルスくらいじゃびくともしない立派な事業先ばかりなので、5%なんてレートで借りないっていうでしょうな(笑)。