昨日の日経静岡版に掲載された、清水銀行の豊島頭取のインタビュー記事の内容は違和感だらけでした。さらに信用金庫業界に対する“上から目線”的な発言は、同じ地域の信用金庫業界で仕事をしているワタシとしては気分の良いものではありませんでした。
それに対し、本日の日経関西版の南都銀行 橋本頭取のインタビュー記事 (南都銀「地銀から人材供給業に」 橋本頭取が描く未来) には、頷く点が少なくありません。
~「銀行という言葉は10年後になくなるかもしれない。地域金融の役割は地域と一緒に成長し、信頼に基づいて金融を託してもらうこと。顧客にとって必要な存在であり続けなくてはならない」(同記事より)
ワタシも10年後に今の地方銀行という“かたち”が残るとは思っていません。
個人金融を中心とするトランザクションバンキングの分野は、低コストの異業種やネット系の軍門に下ることは間違いなく、労働集約型のリレーションバンキングを軽視している地方銀行に未来はありません。
橋本頭取は、
~目指すのは、単なるコンサルティングやアドバイザーではなく、地域の企業や地方自治体に入り込み、一緒に課題を考えて解決する経営人材だ。(同記事)
と発言していますが、
ワタシは組織的継続的なリレーションシップバンキングを遂行し、地域経済の担い手である地元事業者の企業価値を高め、それを面的な展開に広げて地域活性化へとつなげていくところに全力投球するしか道はないと考えています。
コンサルティングもアドバイザーも、企業や自治体への人材供給も、そのための手段、アプローチ方法だと思います。
喫緊の課題。
新型コロナウイルスで苦境に陥っている中小小規模事業者を財務面でも本業面でも真摯に支援することができるか、
これぞ組織的継続的リレーションシップバンキングの試金石です。
ここを乗り越えた地域金融機関だけが10年後、生き残るのです。