🚩これぞRAF(リスク・アペタイト・フレームワーク)の実践

かつて、資本性劣後ローンの持ち込み件数が多く、日本政策金融公庫から顕彰された地域金融機関がありました。

当該金融機関の自己資本の厚みは業界屈指です。

その資本の配賦状況を聞くと、地元取引先への信用リスクよりも、有価証券運用の市場リスクへの備えが大きいという状況でした。

地域金融機関の大義からみても、有価証券運用でリスクテイクするより、地元事業者へのコミットメントに資本を活用すべきです。どなたも異論はないでしょう。

「だったら、日本政策金融公庫に持ち込まないで、自分で劣後ローンをやればいいじゃないですか」

さて、

すでに地方銀行の中には(五指に足りないのですが)、自ら資本性融資に積極的に取り組んでいるところがあります。

その中には資本性融資らしく、金利は業績連動で対応している銀行もあります。

本日の日経新聞では横浜銀行とりそな銀行の資本性融資の取り組みが掲載されていますが、上記のようにすでに取り組みを行なっている先進的な地方銀行についての報道は、いままで聞いたこともなく、メディアの限界を感じます。

https://www.nikkei.com/paper/article/?b=20200430&ng=DGKKZO58625060Z20C20A4NN1000

メディアへの苦言はさておき、資本性融資を取り扱う地域金融機関が増えるのは大変結構なことです。

日本政策金融公庫には申し訳ないですが、そもそも資本性融資は日々のコンタクトがあり、決済口座を保有し、事業実態が把握できて、資金繰りや本業支援を行うことができる金融機関が取り扱うべきものです。(もちろん民間がやらないから、レイジーバンクだから、日本政策金融公庫がやるということを批判するものではありませんが)

事業実態や経営の中身が良くわかっている民間金融機関(メインバンク)が資本性融資を併用するのは必須です。

資本のバッファーがないのなら、有価証券運用でのリスクテイクを圧縮すればすむことです。

有価証券運用のリスクコントロールと地元企業の信用リスクコントロール、地域金融機関にとって後者の方が与し易いと思うのですが、、、

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