🚩「平時からの備え」と「従業員本位の経営」

日経ビジネスオンラインで中小企業経営者のコロナへの対処に関わるインタビュー記事が掲載されています。

本日は六花亭(帯広市)の小田豊亭主とダイヤ精機(東京都大田区)の諏訪貴子社長です。

7年前にドラゴン先生やジミ研の近藤さんとともに小田さんのお話をうかがったことがありますが、それを彷彿させる内容です。

~危機に直面している今、何としても会社を永続させることに焦点を当てたかったからです。会社の永続という観点で一番大事なのは人材。人こそ六花亭の重要な財産です。(中略) 全社集会でもう1つ示した言葉が「卑」です。経営者は危機に直面すると会社の安定を考えて内部留保を厚くしようと考えるけれど、卑しくなってはいけません。4月には、社員の給料のベースアップをしました。1万円程度の大盤振る舞いです。君たちには給料の面でも安心を届けるから、その分、会社を永続させるために気を引き締めてほしいと伝えました。(中略)給料を上げて損益分岐点が高くなっても、商品の価値を高めたり、味を維持しながら生産性を向上させたりすればいくらでもそれはカバーできます。(同記事より)

人をコストとして見るのではなく、財産としてとらえる経営はポストコロナで間違いなく威力を発揮するでしょう。

週末は、録画をしていたテレビ東京の「カンブリア宮殿」のバックナンバーを見ました。10月4日の放送は六花亭 (帯広市) の小田豊会長です。番組...

諏訪さんとは3年前、関東財務局主催のリレバンシンポジウムでご一緒しました。第一勧業信用組合の新田さんも諏訪さんとパネルディスカッションに登壇されました。

リーマン・ショックという修羅場を乗り越えてきた経営者ならではの発言に感銘を受けましたが、本日のインタビュー記事からもその一端が窺われます。

~リーマン・ショック後のような中小企業の大量廃業や倒産は起きないだろうと感じています。リーマン・ショックと東日本大震災が続いたことで、経営基盤が弱かった企業は既に淘汰され、事業承継を経て経営者が若くなったところも多いからです。私はリーマン・ショックを経験しています。その経験と比べると、あの時よりは現状はひどくない、という認識です。それに、これまでの経験から、危機への備えも増やしています。いつ何が起こるのかは分からないので、業界平均の2倍ほどの運転資金を常に確保しています。(同記事より)

昨晩、NHKドラマ「マチ工場のオンナ」を見ました。父親の急逝で主婦が町工場の社長になるという物語です。会社名が「ダリア精機」となっていること...

このシリーズ、明日は広島市信用組合の山本明弘理事長です。地域金融の基本に忠実、顧客本位で身の丈にあった経営はコロナ禍にもびくともしないものと推察されますが、どのようなお話になるのか。楽しみです。

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コメント

  1. 長川康一 より:

    六花亭本店に行くたびに、社員さんの応対やしぐさからそして店の雰囲気に亭主の商いの心を感じます。
    その亭主が「卑」を自らの戒めの文字とされていること初めて知りました。
    多くの金融機関経営者は自らの心に卑しさがないか見つめる必要があると感じます。
    「目先の利益はいつでも取り返せる」、自分を守ることばかり考えていては誤った方向への舵を切ることになります。