あるメディア報道です。
~X信用金庫は7月に融資部を新設。貸付から回収までを一本化し、融資業務の効率化や強化を狙う。(中略)貸付の審査を担う審査部門と債権管理の部門を統合し、融資部を設けた。(中略) 〇〇理事長は「マイナス金利が長期化するなか、融資量を増やすためにも新規顧客の開拓を目指す」と語る。(同記事より)
文中の「貸付から回収までを一本化」という表現に強烈な違和感を感じ、思わずこの信用金庫のディスクロージャー誌にある組織図を見てしまいました。
そうなんです、取引先の経営改善・事業再生の部署がないのです。
新設の融資部の中に経営改善・事業再生のセクションもしくは担当者はいるのでしょうが、この記事の文言からはこの業務を経営が重視しているとは思えません。
コロナ禍において、事業性顧客に対する経営改善・事業再生の重要性が従来にも増して、高まっているのにもかかわらず、「融資量を増やすために新規顧客の開拓」というトップのイケイケ的な発言にも危うさを感じます。
ちなみにこの信用金庫の所在地は顧客数の多い大都市部ではありません。
ウイズコロナ・ポストコロナを考えた組織変更とすれば、残念の一言です。
余計なお節介ですが。
コメント
経営改善、事業再生を包括する企業支援が次のメインテーマであることが分からないのでしょう。コロナを見ていれば明白なのに。
マーシャル・マクルーハンというメディア理論家が、こう述べています。
「誰が水を発見したのかは知らないが、それが魚でなかったことは確かだ」
目の前で起きていることほど、我々は気づかないのです。