安倍政権が立ち上げた未来投資会議を廃止して新設された「成長戦略会議」の初会合の模様が本日の新聞に出ています。
日経朝刊では「中小企業再編や最低賃金の引き上げ」にフォーカスしています。そのための予算措置や税制の見直しについてはごもっともなのですが、民間の有識者8名の中に小規模事業者の声を代弁できる人がいないことが気になります。
言うまでもなく中小小規模事業者350万社余りのうち300社余りは小規模事業者です。小規模事業者は生業そのものであり、事業拡大、再編を望んでいる人たちは少数派です。
中小企業に関わる政官主催の会議では、中堅企業以上を前提にした議論が多く、その内容に小規模事業者からは常に「違和感あり」という声なき声があることをネグレクトしてはいけないと思います。
ワタシが長年関わっている地域金融・中小企業金融でも、かつては金融庁での議論は地方銀行のものでした。地方銀行の議論をもって協同組織金融機関は「右へならえ」的なものがありました。
ただ、14日に金融庁が発表したプログレスレポートでは地銀と協同組織金融機関とを分けた書きぶりが見られるなど、中小企業“金融”の世界では大きく変わってきています。
中小小規模企業の議論においてもこういう配慮は不可欠であり、小規模事業者や個人事業主の実態を熟知した有識者の成長戦略会議への参画を強く希望します。
コメント
我が家(義父)のクリーニング屋も地域の祭りやら、御輿巡行の警備やら、お菓子配りに忙しく、生産性向上どころでは、ござりませぬ。大きなお世話。金融機関が現実的に企業支援で割ける時間、人員を考えると、中堅企業の話かと思います。そもそも会社勤めが嫌で脱サラした方に、賃金上げるから会社勤めしなさいという上から目線がおかしい。
記事の中に、中小企業に対し「生産性が低いまま放置すると、経済の効率化が進まない」との文言がありました。
私は脱サラ起業していますが、その理由は「生産性と効率化を重視する大きな組織では出来なかったことをするため」です。
更に申せば、消費者(一般生活者)側も効率や均一性等を求めれば大企業、違う付加価値を求めれば中小企業を利用します。
なぜ消費をしないのか問題も、サプライ側と消費者側の問題があるでしょう。
成長戦略を考える会であれば、多胡さんが書かれているように小規模事業者や個人事業主の実態を熟知した有識者。そして消費者側の専門家も必要かと思います。
当事者を交えた会議であれば国民の納得感も増すかと。