新型コロナウィルスによる影響が長期化し、地域経済・地域社会の崩壊危機が現実味を帯びてきました。
金融庁は地域金融機関に対し、コロナで打撃を受けている地域を支える地域企業の経営改善・事業再生の支援を最重点課題として掲げ、金融行政方針においても、
「コロナ禍の状況等も見極めながら、資金繰り支援から、資本性資金等も活用した事業者の経営改善・事業再生支援等に軸足を移し、コロナ後の新たな日常を 踏まえた経済の力強い回復と生産性の更なる向上に取り組むことが必要だ。」(金融庁 『令和2事務年度 金融行政方針』)
とそのことを明言しています。
しかるに多くの地域金融機関(たとえ大手地銀であっても)は、経営改善・事業再生支援ができる人材が決定的に不足しているのが実態であり、かかる人材(以下、“再生屋“)を育成するには机上ではなく場数を踏まさせねばならず、お手上げ状態といっても過言ではありません。
一方、再生屋の多くは地域金融機関の経営者の無理解のもとで決して実力に見合った処遇をされておらず、本人たちの中小小規模事業者への責任感と矜恃によって個人芸で行われているのが実態です。
地域金融変革運動体では再生屋たちのネットワークを作り上げ、再生屋の知見を結集し、それを全国の中小小規模事業者のために還元すべく、1月18日に松江市で再生屋シンポジウム(全国から200名余りが参集)、9月13日に諏訪市でリレバンサミット(リモートも含め1700人余りが参加)を協賛しています。
反響の大きさにビックリしているのですが、反面、ダンマリを決め込んでいる地域金融機関の組織も数多くあります。
ワタシには経営陣が虚勢を張っているとしか見えず、内心はどうしていいのかわからない状況なのではないでしょうか。
さあ、どうする。
コメント
経営改善支援とは、何をしたら良いのか分からないのだと思います。然るに、ネットワークによる学びが重要となります。組織には知性が蓄積されていない可能性があります。
今日午前、事業承継がらみの方からお聞きした話ですが、承継における経営者保証の問題を抱えている会社の8割は実態再生案件。
しかし、再生支援協議会へ案件を振ってはいるものの、それでうまく進んでいくのは難しい感じしかないとのことです。担当者個人の感想ですが。
事業承継も再生のノウハウが無いと進まない。
金融機関は様子見、間に合いますかね。