静岡銀行と山梨中央銀行の連携に関する様々な報道を見て、地域を越えた地域銀行の資本統合、すなわち合併・経営統合は救済でもない限り起こらないだろうと改めて確信しました。(どこかであったような銀行経営者のミスジャッジとガバナンスの欠如の場合は除く)
両行のトップが会った際に
「(両行とも)地元に食べさせてもらっている」(本日の日経静岡版)
と話したことがそれを物語っています。
かつて資本統合した某地方銀行が持株会社を東京に設置するとの意向を示したところ、地元から強烈な反発を受けたことがありますが、持株会社による中央集権的な方法はトラバン銀行(画一的な金融サービスで効率化を目指すビジネスモデル)でしか通用しません。
そのトラバンは風前の灯。AIフィンテックを駆使した異業種やネット系に席巻されて、銀行のコスト構造でやれる業務ではなくなるでしょう。資本統合で規模を追求しても焼け石に水です。
一方、地域金融機関の業務提携・連携の多くはエール交換に毛の生えた程度のものが多いようですが、今後は顧客本位を旗印にどんどん進化していくものと考えられます。
合併や経営統合のスクープ合戦にしのぎを削るメディアの皆さん、
無駄なことはやめて地域金融・中小企業金融の本質をしっかり取材して、報道してくださいね。