今晩の日経電子版「中国地方の地銀、与信費用3割増 今期見通し 〜顧客支援、下期以降が焦点」をご覧ください。
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO66383510Y0A111C2LC0000/
本記事の中で、政府・日銀の再編促進策について慎重な見方として列挙されている意見は、ワタシが言うまでもなく至極ごもっともだと思います。
~鳥取銀行の平井耕司頭取は「鳥取県だけでみると、地域金融機関がそこまで多いという感触は無い」と話した。その上で「信用金庫やメガバンク、政府系金融機関とも協調して、地元の企業や雇用を守る方が得策だと思う」と指摘した。中国銀行は地銀の広域連携「TSUBASAアライアンス」に参画している。加藤貞則頭取は、「同アライアンスを通じて戦略的な企画や連携を模索するのが先決だ」と話した。再編を促す一連の制度について、金融庁参与の多胡秀人氏は「救済のための合併を除けば、業務提携でスケールメリットによる効率化はほぼ対応できる」と指摘する。「資本の統合に時間とコストをかけるなら、その分を中小企業の支援に充てるべきだ」(中国財務局幹部)(同記事より)
昨日の日経電子版の中にあった地銀協会長による(政府・日銀への配慮がにじみ出ている熟考した)下記のコメントと比べるとかなりストレートです。
~全国地方銀行協会の大矢恭好会長(横浜銀行頭取)は18日に都内で開いた記者会見で、政府や日銀が始める地銀の再編を後押しする支援策について「(再編を検討する地銀には)サポートになる制度」と歓迎する意向を示した。同時に「必ずしも再編や経営統合が体質を強化する唯一の解ではない。手段であって目的ではない」とも語った。(18日、日経電子版より)
ワタシは従前から「救済を除けば、資本統合(つまり合併・経営統合)は非現実」という考えですが、地域金融機関の業務提携・連携・アライアンスの“レベルアップ”こそ最優先に取り組むべきことだと思っています。政府の補助金や日銀当座預金の上乗せ金利があるとすれば、再編ではなく、業務提携・連携・アライアンスの高度化にフォーカスすべきではないでしょうか。
本日の記事で鳥取銀行と中国銀行の頭取は、協調・アライアンスを主張していますが、その場しのぎではなく、「本気度が問われること」を肝に命じなければならないでしょう。