🚩資本統合ではなく、機能統合

「コロナ禍で苦境に陥る事業者を横目に見ながら、ノーリスクのゼロゼロ融資を流し込むだけ。この期に及んでも竦んでいるだけの地域金融機関には厳しく対応。反面、顧客と地域経済社会のために何らかの行動を起こす地域金融機関にはインセンティブを付与するというのが政府日銀の方針ではないか。そして、何らかの行動の象徴こそが再編(合併・経営統合)なのではないか。」

最近、金融庁の上層部と話をしたという某メディアのXさんの口から出てきた言葉です。

ワタシは壊れたレコードのように、いつもの主張をしました。

「顧客のために行動を起こす金融機関にインセンティブを与えるというのは、諸手を挙げて賛成。他業態からは甘やかしているんじゃないのと言われるかもしれないけど。ただ、何らかの行動は合併統合じゃない。この数年、地銀の合併統合で顧客本位と思われるものはなかった。今後もそうでしょう。合併統合なんて所詮は金融機関の自己都合のものですよ。」

合併・経営統合は「資本統合」ですが、資本統合を行っても顧客本位のビジネスモデル(リレバンですが)には向かいません。「資本統合」ではなくバックヤードなど競合先とも共存できるところでの「機能統合」でコストやマンパワーにメスを入れ、リソースを顧客接点に振り向けるというのが鉄則です。

原理主義的主張に聞こえたらごめんなさい。

蛇足ながら、

①地域再生を錦の御旗として振りかざし、地域金融を20年以上にわたって疲弊させてきたとの酷評もある、

②最近は、一貫したその原理主義的主張もあってか、社外取締役を務めた某地方銀行ではお役御免、

③金融庁などの審議会等の事務方から腫れ物扱いされている、

かつて、ある先輩から、「この雑誌に登場するようになったら一人前?だぜ」といわれていた月刊誌の今月号にある、ワタシについての記述です。

やっと念願が叶いましたが、実名でなかったのは残念です。だからまだ半人前か?

橋本さんや日下さんのように実名で書いて欲しかったですね。

金融庁の事務方が腫物扱いする(らしい)原理主義的主張にさらに磨きをかけて参ります。

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コメント

  1. 長川康一 より:

    頑張ってください。

  2. qzs04203 より:

    長川さま、

    応援メッセージに感謝いたします。

    多胡

  3. 橋本卓典 より:

    マイナス金利や銀行のビジネスモデルの行き詰まりには何故か触れず、銀行不況は最近動き出した運動体のせいだ、という論旨でした。運動体はリレバンを科学するものだと思っています。事業者にベタベタすることがリレバンではなく、アクティブリスニングを通じて付加価値を生み出すプロセスです。やり方は一つではありませんが、担当者1人で150社も抱えて月に1回も話を聴けず、ノルマ営業をやっていて「ウチはリレバンです」という非科学から脱却しなければなりません。豊和銀行のVサポートなどは、リレバンを科学しようとしている好例でしょう。ダメな銀行とイケてない銀行が一緒になって、ブレークスルーな銀行が誕生すると考える方が余程「お花畑」なのでは。コロナ融資で20兆円の債務を中小企業が負っています。しかも、利益償還の見込みのない赤字補填資金です。この深刻な時に「今すぐに企業支援に取り掛かれ」ということか、「そんなこと放っておいて再編」が先か。「お花畑」のセンスが問われます。

    • qzs04203 より:

      当該月刊誌の記事には、

      〜銀行員や公務員などからなる「地域金融変革運動体」なる得体のしれない活動まで始めている。

      と運動体の活動に関しても記述されています。

      地域金融変革運動体もメジャーになりました、

      多胡

      多胡

    • 山猿 より:

      >お花畑のセンスが問われます

      腹を抱えて笑いました。

      向こうから見たらお花畑で電波ぶっ放してる人の集合体か、悪の枢軸の集合体ですか(笑)。

      まぁ、向こうも『必死』なのかもです。

  4. 長川康一 より:

    事業者にべたべたすることをリレバンと考える金融機関の話ですが、地域行事に参加することをリレバンと理解しているところもあるのです。こうしたところにリレバンの本来的意味を言ってもどうにもなりません。預貸金のボリューム上げること預貸率を上げることしか頭にありません。
    金融機関のリレバン志向度を判定する最高の材料は、不良債権や延滞先の管理記録を見ると一番よくわかると思います。一般的には返せ返せの督促状況だけが記録されている筈です。お客の側に立って、なぜ延滞に至ったのかをまず確認するような債権管理の流れができているところは、リレバン志向がある金融機関と判断できると確信しています。