🚩5年ぶりの長期金利上昇

振り返って見れば、構造的に預貸率の低い地域金融機関の収益は長期短期の金利差、イールドカーブの傾斜によって支えられていたことは否めません。

異次元緩和によるイールドカーブのフラット(平坦)化は、低預貸率の地域金融機関の期間収益を激減させ、国債から他のリスク資産へのポートフォリオ入れ替えでリスクアセット増をもたらし、自己資本比率を急低下させています。

この数年、業況悪化を招いた地域金融機関は少なからずありますが、有価証券運用で躓いたケースがほとんどです。

「異次元緩和→マイナス金利」の流れで国債から高リスク有価証券へシフトする中で泥沼に陥ったことは間違いありません。

運用が稚拙であったと言われればそれまでですが、専門人材も不在、十分な情報もない中での有価証券運用には無理があります。

十分なリスクコントロールができない有価証券運用など縮小して、モニタリングできる地元企業の資本性劣後融資(公庫への丸投げでなく)にもっと注力すべきと思うのですが、量的には焼け石に水であることは否定できません。

昨日、国内債券市場で長期金利が上昇、指標となる新発10年物国債利回りは前日比0.020%高い0.170%と、マイナス金利の導入を決定した2016年1月29日以来、5年1カ月ぶりの高水準となりました。

適度な金利上昇への期待大です。

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