伊集院静さんの日経新聞朝刊の小説「ミチクサ先生」、この二週間は主人公の夏目金之助(漱石)のロンドン生活です。
本日、278回は美術館巡りでのターナーの絵との出会いです。
ワタシがロンドンに住んでいた頃、テムズ河畔にテートギャラリーがあり、ここには多くのターナーの絵が展示されており、屋外の活動がままならない冬場にはよく訪れたものです。
「まるで水墨画のようじゃないか」
伊集院さんは金之助の最初の印象をこう表現していますが、当時、ロンドン在住の日本人たちにターナーが人気があったのは、こういうところなのでしょうね。
コメント
初めまして。
某金融機関に勤めておりまして、ちょくちょく拝見しております。
ロンドンに旅行した折、テートはテートでもテートモダンに行ってきました。テートギャラリーは次回かなあ、と思いながら、結局行けておりません(涙)。
漫画「坊ちゃんの時代」に山県有朋が短歌の会で読んだ歌に、伊集院という警察官僚が「ターナーの趣が」と評して、同席した森鴎外が「山県公の歌など箸にも棒にもかからん。。。」等とブツブツ漏らすシーンがあります。ターナーが当時の日本の知識人の人口に膾炙していた、ということなのかな、と。漱石が鴎外の近くに同席していて、相互の人間関係と政治的背景を垣間見る、というよくできた場面描写でした。
ランスロさま、
メッセージ、ありがとうございます。
次回は是非、テートギャラリーの方へ。