「短期収益目標の達成度が業績評価の指標。しかも業績評価と人事考課がフル連動。」
「目先の収益を上げていかなければ、昇格候補者にリストアップすらされることはない。」
こんな金融機関、今時あるのかと思いきや、ワタシが自己中心的レイジーバンクとして問題視している地域金融機関Xの話です。
こういう金融機関に勤務していたら、金融機関の経営理念に共感して入社し、それを実践しようとの志を持った人間は早々に退職の道を選ぶでしょう。
地域金融機関Xには、心の病を抱えた職員が多いこと、早期退職者が多いことは知る人ぞ知るです。
かつてXの地元の大学生と話をしたら、Xは学生の中でトップクラスの人気企業でした。金融機関側には「辞めたって代わりはいくらでもいる」との意識(従業員は消耗品)が感じられます。昭和の時代の都銀や大手証券会社のようですね。
こういう金融機関が安穏としていられるのは、誰も表立って批判しないからです。
それどころか、他の金融機関がゼロゼロ融資の申請をすると、
「(当該金融機関のメインバンクでもない)Xさんの許可を取りましたか?」、
などと、恥ずかしくもなく意味不明な質問する信用保証協会職員(さすがにこの話には呆れました)に代表されるような“応援団”までいます。笑止千万。
借り手は口を閉し、地元メディアは大手広告主なのが理由かどうかは分かりませんが、提灯記事しか書かない。
利害関係が薄い全国区のメディアは、Xの稀少な属人的リレバン取り組みや耳目を引くイベントをことさら好事例として取り上げ、「なんちゃってリレバン」の目眩しの術を見破ることができません。
どことはいいませんが、こういう地域が実際にあるようです。
リレバンの機能強化が始まってから18年、顧客本位の業務運営が金融行政の柱になってから5年以上が経過しても、こういうことがまかり通る、この地はあいも変わらず「リレバン暗黒地帯」です。