X県はその堅実で生真面目な県民性(私見です)からか、他県のようにバブル崩壊で被弾した協同組織金融機関は多くはありません。
幕藩体制で小藩が分立していたX県では信用金庫はコミュニティごとに棲み分けがなされており、信用金庫の強いところではトップ地銀が苦戦しているという図式が見てとれます。
それでは、信用金庫の強弱がある理由は。
トップの経営姿勢にあると言い切っていいと思います。
強い信用金庫のポイントを列挙すると、
~経営理念に忠実でとことん顧客本位の業務運営、いわゆる土着型リレバンを貫徹、決して地銀の真似をしない。
~資本はお客様のものとの思想が貫かれている。株式会社との大きな違い、協同組織はこれを実践に移せる。
~その資本をバッファに顧客とともに地域のリスクに立ち向かっている。
~リスクコントロールのできない有価証券運用や身の丈に合わない融資は行わない。
こういう経営スタンスだから顧客からの強い支持を受けており、顧客との間に強い信頼関係があります。
こういう信用金庫が揃ってきたら地銀の出番は限られてくるでしょう。
一方、X県においてもトラバンでボリューム追求という旧態依然の信金信組もあります。リレバンを標榜しますが、ワタシから見れば看板に偽りあり。属人的、イベント的な「なんちゃって」でお茶を濁しています。
コロナ対応の制度融資で一息ついているものの、このビジネスモデルでは歴然とした規模の差があるトップ地銀には太刀打ちできません。
トラバンモデル、すなわち金融商品の物売りは協同組織金融機関の本来の姿ではありません。二宮尊徳さんに聞いてくださいよ。
「なんちゃってリレバン」の衣を被ったトラバン協同組織金融機関の覚醒が期待されるところです。地域のお客さまのためにも。