🚩レイジーな成功体験の呪縛

地域金融機関Pの話です。

Pの企業風土はよくいえば慎重、でもワタシには「優柔不断」にしか見えません。

同業他社に先駆けて何かをやるということは、かつても今もまったくと言っていいほどありません。拙速を極端に嫌う企業風土のようです。ワタシの思想とは真逆です。

浸透したころにヨッコラショと重い腰を上げて追従するので、失敗する確率は低く、同業他社に比してバランスシートの痛みは大きくありませんでした。

ただこのスタイルが「結果良し」だったのはパイがそれなりの大きさがあった時代の話。護送船団方式といわれた行政方針もこのスタイルの存在を可能にしました。

いまや地域金融機関が扱う商品サービスのほとんどは異業種であっても参入してきますし、重い腰を上げた後発に残された果実は減る一方でしょう。

コロナ禍で新様式への事業変革が求められるお客さまに対応するには、金融機関側にも創意工夫が求められ、その対応がお客さまから評価されるところのみが勝ち残るでしょう。個人金融の世界も同じです。

先へ先へと進もうとする尖った杭は、創意工夫のエンジンとなり、貴重な戦力です。出る杭を叩くことは組織にとって死滅の刃となります。

今後は、メインバンクであっても顧客実態の全容が見えず、無責任な傍観者の数だけが多い複数行取引から、信頼関係に裏付けられた一行取引もしくは少数行取引に向かうものと思います。

そうなると遅れて来た金融機関への「おこぼれ」は、従来のように期待できるものではありません。

過去の「遅れて来たから結果良し」というレイジーな成功体験が支配する「拙速を嫌う」組織風土の金融機関Pの今後の展開を注視して参ります。

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