🚩声なき声に耳を傾けよ

青森銀行-みちのく銀行の経営統合・合併報道から一週間。

さまざまな報道がなされていますが、昨晩発信された、

NHKWEBのビジネス特集「因縁の相手と・・・青森の地銀再編 何が背中を押したのか」

は腹に落ちる内容でした。

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210521/k10013041921000.html?utm_int=news_contents_tokushu_001

青森銀行関係者

「競争相手であるみちのく銀行はもともと青和銀行を母体に、弘前相互銀行と合併してできているから、歴史的に見ても青森銀行に追い付け追い越せの姿勢。青森銀行が貸せないところにみちのく銀行が貸す。その分、引当金も大きくて不良債権が出ての繰り返し。そうやって競ってきた」(同記事より)

みちのく銀行関係者

「みちのく銀行は歴史も浅く、不祥事などの歴史もあって下に見られがち。青森銀行は自治体との取引であぐらをかいているが、中小企業への融資に力を入れて、真に地元企業を支え、そして数字でも証明しているのはみちのく銀行だ」(同記事より)

文中にある両行関係者のコメントから分かることは、青森銀行が自治体関連と地場の優良企業を押さえ、ミドルリスク層や中小小規模事業者の多くはみちのく銀行が支えているということです。

数年前に金融庁が行った地銀105行の中小企業アンケートにおいて、みちのく銀行の評価が”極めて“高かったという話を聞いたことがあります。

「業況の良くない先を支えているからこそ」さもありなんと思いました。

「引当金も大きくて不良債権が出ての繰り返し」と青森銀行関係者が言及していますが、財務内容に問題があっても地域にとってなくてはならない企業を支援するのが地方銀行の本懐。だからこそみちのく銀行は金融機能強化法の公的資金により資本を増強して地元の事業者を支えていたのです。

青森県の事業者から聞こえてくるのは、青森銀行優位の統合合併だと、厳しい業況の事業者や小規模事業者が取り残されるのではないか、というものです。

長崎の地銀合併の時にあった「声なき声」(←報道されるのは合併しても影響が少ない会社の意見だけ)に酷似しています。

地銀の統合合併の大義は「地元顧客、さらには地元経済社会のためになること」、このことを両銀行の経営陣は忘れないでもらいたいです。

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