司馬遼太郎さんの「洪庵のたいまつ」を例に、緒方洪庵の出身地と同じ岡山県をルーツにもつ竹内心作さん(地域金融ソリューションセンター代表)の活動を、このブログで何度か取り上げています。
その竹内心作さんから、岐阜県大垣市に本店を構える大垣西濃信用金庫が始めた「組織的継続的リレバン」の取り組みについて教えてもらいました。
同じ本店大垣でも大垣共立銀行の方は、長年にわたり「マス個人を対象とする斬新な戦略」を打ってきていますが、
~マス個人金融はコストをどれだけ引き下げられるかがポイント、従来型の銀行員の人件費構造で成果が出せるか、
~マス個人金融は異業種やネット系にとって参入が容易く、銀行員の発想だけで激しい競争に慣れている他業態に打ち勝つことができるか、
と大きな課題を抱えている(レッドオーシャンで限界があるのでは)というのが、ワタシの意見です。
それに対し、大垣西濃信用金庫の組織的継続的リレバンの方は間違いなくブルーオーシャン。
その組織的継続的リレバンらしさは、この4月にスタートした「絆訪問」に現れています。
「お客様の本業に関わる話しかしない、融資の話はNG」という日を設定し、この絆訪問には理事長以下役員本部も加わります。
絆訪問のための「準備とフォローアップ」を入念に行いますが、これが有効なリレバンOJTの場となります。
同金庫によれば「訪問件数は減少しても、訪問先企業を深く知り、企業の抱える真の課題の把握、本業支援を行う」とのこと。
むやみやたら訪問先数だけ増やすようなトラバン営業には一線を画しているところにワタシは本気度を感じます。
岐阜県を含む中京圏は、組織的継続的リレバンが育たない(属人的イベント的な、なんちゃってリレバンの域を出ない)というのがワタシの評価ですが、このたびの大垣西濃信用金庫の取り組みには期待が膨らみます。
★大垣に関する話はこちらも。