本日の日経北海道版の記事
「道内15信金、純利益増 前期20信金決算~コロナ対策で融資増、過剰債務の企業も」
には、北海道の信用金庫のコロナ対応融資に対する姿勢が鮮明に出ており、良い記事です。
https://www.nikkei.com/article/DGKKZO73139290S1A620C2L41000/
お読みいただいている通り、本ブログでのコロナ対応融資に関するワタシの主張は、
「ゼロゼロ融資をやる以上は当該企業の経営改善支援、事業変革サポートを行うのは当然のことであり、ゼロゼロ融資で一丁上がりというのは地域金融機関の道を外している、ゼロゼロ融資で収益が上がったと浮かれているのはレイジーバンクそのもの」
というものです。
他地域と同様に、北海道でも多くの信用金庫はゼロゼロ融資で融資残高を増やし、貸出金利息も増加に転じていますが、既存取引先の資金繰り支援という基本を崩していないことが文面から感じ取れます。
~「既存の取引先を中心に資金需要には積極的に応えることを基本方針としていた」(旭川信金)、
~帯広信金も「既存取引先の全てに資金需要の聞き取りをした」という、
(いずれも記事より)
極めつけは稚内信用金庫。
~純利益が減益となった5信金のうち、稚内信金は期末貸出金残高が前の期比で0.2%減った。マイナスは20信金唯一で、貸出金利息も4%減った。信金協会の会長も務める増田雅俊理事長は「本当に融資が必要なところにしか貸してはいけないと口を酸っぱくして周知してきた」と話す。(記事より)
お見事です。
増田さんの経営姿勢こそが真の意味での顧客本位のコロナ対応ではないでしょうか。
旧知の小樽商科大学の斎藤一朗教授のコメントも的確です。
~「新型コロナ禍の打撃をもろに受けた事業者以外への融資は、融資先に困っていた金融機関の余剰資金のはけ口として使われた意味合いが強い。過剰融資問題は必ず浮上する」と言い切る。(記事より)
ワタシの畏友たちは皆さんまともです。
コメント
稚内信金さんは本来あるべき金融機関としての筋が通っています。
ボリュウーム拡大、収益力アップに血眼になる金融機関はこの姿勢を参考に方向転換をする必要があります。ボリュームや収益を追えない現実を直視する必要があります。