先月26日、青森銀行-みちのく銀行の統合が臨時株主総会において承認されましたが、翌日の地元紙・東奥日報に日下さんのインタビュー記事が掲載されています。
遅まきながら読んだのですが、日下さんが言及するように、
「みち銀が地域や取引先への思いが強いというのはその通りだろうが、青銀とビジネスモデルが違うといえばそうではなかった」(記事より)、
そして、「2つの銀行の取引先の大部分が重なる」のだとしたら、
合併銀行にとって大きな課題となるのは、余剰となる行員の処遇であることは間違いありません。
とくに最近の合併地銀では、資本統合比率で劣位にある銀行の行員の早期退職が顕著なようです。
この数十年、地域金融機関の合併事例を見ているのですが、ワタシの知る限り、余剰人員が問題にならなかったケースはひとつしかありません。
この金融機関のビジネスモデルは、労働集約的リレバンの全職員運動と持続性であり、かつ基盤とする地域には事業者数が多く、新規創業の兆しもあります。
この金融機関の合併の主たる理由は「リレバンのための人員増強」ですが、今回の青森のケースでは当てはまりません。
本記事の中で、日下さんは余剰人員の問題に処方箋を示しています。
日下さんの持論は「地銀はもっと目線を上げ、上を目指す企業を育てるべき。」だと思うのですが、
一方、小規模零細企業については、
「貸し出しを切り離して、非営利組織である信用金庫、信用組合に移管するという視点が必要だ。しかも職員(行員)も顧客と一緒に信金・信組に移る。合理性を追求して地元に不利益を与えてはならず、青森県の『全体最適』を求めるべきだ。」(記事より)
合併銀行には、青森県における地域金融エコシステムのリーダーとしての責務があるということですね。