「額に汗しないで得られるような利益、つまり浮利を追ってはならない。」
「人間として正しい道を歩いてきたつもりなのです。みんながこうするからあっちをというのではなく、どんなに環境が激変しようとも、正しい道を歩いてきた。」
さて、本年度第3四半期の地銀決算が出そろいました。
前年との比較が可能な地域銀行74行のトータル純利益は前年同期比34%増の7585億円と好決算ですが、その内実は「与信費用の戻り」と「ゼロゼロ頼み」です。
~融資先の倒産に備える費用が大幅に減り、前期に急増した政府保証付き融資が本業を支えた。(14日の日経電子版記事「地銀、薄氷の好決算 21年4~12月の純利益34%増」より)
言うまでもありませんが、地域金融機関がいまやらねばならないことは、地域の中小企業支援組織を巻き込み、全力をあげてお客さまの事業変革/経営改善/事業再生を組織的継続的に支援することです。(これこそがリレバンそのもの)
それを属人的・単発的取り組みでやり過ごし、ゼロゼロのばら撒きで顧客を借金漬けにしておいて、自らは好決算を享受するレイジーな地域金融機関の経営者は、
冒頭の言葉にどのような反応を見せるでしょうか。
稲盛和夫さんの言葉です。
https://president.jp/articles/-/54680?page=1
ゼロゼロ融資のおかげで平均貸出金利が上昇して、何年か前のレベルまで回復などという話を聞くと、資金は本当に必要なところだけに行っているのか、対コロナ制度融資の金融機関への金利(都道府県によって大きなバラツキ)がミスプライシングではないか、と思います。
ゼロゼロ融資をばら撒くだけなら、そして19日の知的資産経営セミナーのリレー講演(橋本さん、寺岡さん、日下さん、森下さん)の中でも話が出ていましたが、ゼロゼロ増の裏でプロパー融資を引き揚げるようなことがあるのだとすれば、稲盛さんのいう「浮利を追う」ことに他なりません。
旅芸人ブログの一貫した主張、
リレバンは正しい儲け方。なぜ汗をかこうとしないのか。