長年、金融庁や内閣府などの政府関係の審議会や委員会に出ていましたが、
噂に聞いていた「結論ありき」の委員会といった類いのものにお目にかかることはありませんでした。
いろいろと仲間うちで聞いてみると、どうやらワタシはラッキーだったようで、ワタシの出席していた委員会の主催者側には、
「結論ありき、委員会はそのための儀式」
との思いがなかったようです。
感謝しています。
「結論ありきのアリバイづくりの場に、多胡が呼ばれるわけないだろ~笑」
そういうことを言うひとたちもいます。そりゃそうだ。
さて、
最近、行政サイドから発表されたワタシの仕事に関係ある某施策ですが、何度か繰り返し読んでみても、どうもピンときません。
業界内のツワモノどもからは、
「結論ありきではないか、現場の意見を吸い上げきれていない」、
「コロナ禍の今、喫緊の課題があるのに、優先順位は何かという点が弱い」、
との水面下の大合唱がワタシの耳にも聞こえてきます。もっともです。
議論の場には、今の現場の窮状と直ちにやらねばならないことを熟知した方も参画しているはずで、本来ならばこのような展開になるとは思えず、“水面下の大合唱”が事実だとすれば残念でなりません。
まずは現場を良く知る人たちが真剣勝負で闊達な議論を行い、学識者の意見も加味して結論を導く、こういう至極真っ当なスタイルの委員会が消えるようだと先祖返りです。
コロナ禍において、求められているのは現場実態に合致した施策です。これは組織ありきや予算の多寡と連動するものではありません。