「地域金融機関は真の意味での資金繰り支援のプロになること‼️」
コロナ禍での地域金融機関のイケてないしぶりを見るにつけ、このことを痛感する毎日です。
資金繰り支援とは、単に資金を貸し込むことではなく、お客さまが事業に専念できる環境を整えることを言います。
コロナ関連融資を流し込んで資金繰り支援は一丁上がり、あとはコンサルだ、地域商社だ、というのには大いに違和感を感じます。
そういう観点から、
20日の日経電子版、「ひろぎん持ち株化、成否の行方 新サービスに相次ぎ参入」を読みました。
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCC181P90Y2A310C2000000/
かつて、旅芸人ブログでは、持株会社を作るのならば、地銀再編のための道具から、本来の地元顧客サービスの多様化という形に変貌させるべきと主張しましたが↓
これを業界に先駆けてスタートさせた、ひろぎんHD(広島銀行グループ)
には注目していました。
ひろぎんHDの子会社のうち、銀行の本来業務であるファイナンスサービスの拡充を担う、「サービサー子会社」や「投資ファンド子会社」については業界トップランナーとしての定評があります。
ただ、ファイナンス関連以外の子会社となると、まだまだ議論の余地があるように感じます。
この日経電子版の記事の中で、ワタシが重要と思った点を2つほど上げます。
〜(新会社設立では)世の中に既にある分野を取り入れたので、当然、他社との競争がある。ばら売りのビジネスではよっぽどの付加価値か、規模の経済がないと難しい。(部谷社長の発言)
世の中に既にある事業分野を子会社を作って内製化するよりも、取引先である既存事業者の支援を優先すべき、というのがワタシの基本的考え方ですが、既存事業者が旧態依然で変革の意識に乏しく顧客のためにならないのであれば、ありうることだと思います。
その場合には、部谷さんの発言通り、銀行子会社が既存事業者のできない付加価値をお客様のために提供することが前提になるでしょう。
旅芸人ブログでも同様の趣旨の発信をしています↓
もう一つは、
〜昨年末、広島県内のある製造業を取材したときのことだ。年商は数億円で広島銀行がメインバンク。ここ最近、顔なじみの行員から新たな業務領域についての案内が増えたという。この製造業の社長はITによる生産管理の強化について相談したが、担当者からはパッケージ商品のセールスが中心で要望は深まらなかった。「支店の渉外活動の一環にすぎないと感じた」。この会社は結局、中小企業基盤整備機構に依頼した。一人で各分野に精通するのは難しいにしろ、経営者を納得させられる程度の知識がなければ議論にならず、眠れるニーズは引き出せない。(「記者の目」の項)
銀行員の本業支援の限界があぶりだされていますが、現場の行員を教育し、本部の専門部署のレベルアップを図ったとしても、本業支援のすべてを自前でやることは容易ではないというのがワタシの考えです。
さまざまな業界の多種多様なニーズに対応していくには、外部連携、多種多様なネットワークがポイントになります。
ひろぎんHDでは先刻ご承知とは思いますが、なんでも自前主義の訳の分かっていない地域金融機関が少なからずあるようなのでリマインドします。
この点については、今月の旅芸人ブログで書いています↓。非常にアクセス件数の多かった記事です。ご高覧ください。