最近聞いたある地方銀行での話。
コロナ禍が長期化するなか、取引先企業の経営改善支援の仕事に関わった経験のある支店長たちが実績を上げています。
実績といってもプロダクトアウトの金融商品サービスの「販売ありきではありません」。お客さまと真摯に向き合うことで金融取引が「自ずとついてきています」。
旅芸人ブログで常に発信している「真の資金繰り支援」(お客さまがお金の心配することなく事業に専念できる環境づくり)を粛々と行なっています。
「真の資金繰り支援 →信頼関係 →腹を割った相談がお客さまから来る →お客さまとの課題の共有 →本部(さらには外部)を巻き込んだ課題解決へ」
いきなり「コンサルティングだ」「ソリューションだ」などと肩肘を張らずに、旅芸人の定義するホームドクターの役割を立派に果たすことで、収益面でも成果を出しているわけです。
問題はこの地銀においても、事業者の経営支援や事業再生支援に関わった経験のある支店長の数が圧倒的に少ないこと。
ほとんどの支店長たちはいわゆる業務推進畑。
ホンモノの業推畑の人間は、未経験の経営支援業務であっても経験値のある人間の力を借りつつ、積極的に飛び込んでスキルを積み上げようとしているのですが、残念ながら優越的地位がちらつく物売りから離れられない業推畑も少なくありません。
後者の人間は、いくら言っても過去の成功体験とやらが邪魔をして自己変革ができないのだそうです。
自己変革ができない支店長に当たった地区のお客さまはたまったものじゃありません。お客さまをロシアン・ルーレットに参加させちゃいけませんよ。
属人的から組織的継続的への転換、ここをどれだけスピーディに行うか。
旧態依然とした業推畑が牛耳っている経営陣自身が変わるところから始めなければならない重篤な地域金融機関も少なくないですね。
難しい問題ですが、やるしかありません。