週刊ダイヤモンドの今週号は社外取締役特集です。
映画を見るために契約しているサブスクのなかに、ビジネス雑誌も入っているのでサラッと眺めてみたのですが、「なんじゃこりゃ」、
地銀・社外取の世界とはえらくギャップがあると感じました。
「社外取バブル」の実態にはビックリしました。そのバブル度を見て、地銀とは別物と感じたのですが、地銀の方が適正レベルだと思います。
さて、
18年前に鹿児島銀行の社外の仕事を拝命したとき、長年にわたり知己を得ていた某大手地銀のトップから「鹿銀さんは常時コンサルタント(今でいうサブスクですね)を雇ったようなものだ」と言われたのですが、
内部に入って感じたことは、外部コンサルから見えるのはほんの一部分であり、とくに金融機関にとって最も重要なリソースである人の機微のところは理屈では割り切れず、外部のコンサル如きの手に負えるものではないと思いました。
ビジネスモデルなどと講釈を垂れても、それを組織的継続的な実践に移すためには、人(現場も経営陣も)の意識を変えること、さらにいえば企業風土に切り込んでいかねばなりません。
地域金融機関の経営コンサル??
内部に入り当事者(社外といえども)にならねば無理、ワタシの実感です。
サブスク・コンサルとしてどれだけ役に立てたかとなると、内心忸怩たるものがあり、むしろワタシ自身が地銀経営の本質を学ぶ機会をいただいたと、感謝しています。
コメント
私の理解では、企業風土、即ちエートスですかね。マックス・ウェーバーの著作で学びました。
経営学だと、ルーティン、と表現するようですが、ルーティンだと業務による後天的に形成された指向性という印象ですが、日本企業は終身雇用で共同体としての要素が強く、新卒はその共同体に順応することを求められる傾向が強いので、エートスと言った方が適切なように思います。
確かに懐に入らないと分からないことは多いですが、一人の人間が新卒として入って、長い時間をかけて経験を積んでいくのは、個人の側からすると犠牲や負担が、大きすぎると思います(意欲を失い、何も分からないでボーッとしている人間も多いですが)。
ただセーフティネットを作った上で、終身雇用は止めるべきだと思います。制度として硬直していて、個人への負担が強すぎます。特に若ければ若い程、負担が大きい。何も考えずボーッとしている人間が最大限保護されるシステムです。このシステムは絶対におかしい。