「ここまで追い込まれながら、抜本的対策を講じることなく座して死を待つのか」
生き残りをかけ、過去からのビジネスモデルを断ち切り、さまざまな施策に挑戦している某業界の知人から言われたことです。
地域銀行のことをです。
彼は再編のことをイメージしているようなので、
「今のままで合併した場合、多額の合併費用を費やし、異文化衝突や人員削減などの労多くしてやっと当初の目標に辿りついても、そのときはコスト構造、効率性で上をいく他業態に席巻されている」
という結末を話し、合併ありきの通念を否定しました。
そもそも、地域金融機関は地域屈指(とりわけ産業基盤の脆弱な地域では)の雇用の大切な受け皿となっており、DXの力を駆使するのは当然ですが、ベースは労働集約型のビジネスを選択する必要があります。
旅芸人が、組織的継続的リレバン(とくに真の資金繰り支援→「お客さまがお金の心配せずに事業に専念できる環境づくり」)、お客さまとの共通価値の創造、ポストコロナを展望したお客さまの事業変革/経営改善/事業再生の支援、これらを繰り返し発信しているのは、これこそが顧客の支持を得て、それなりの収益をあげられる労働集約型ビジネスだからです。
組織的継続的リレバンは「正しい儲け方」です。
株主総会が終わり、新しい経営陣でのスタートとなっていますが、顧客本位の労働集約型ビジネスに磨きをかける施策が次々と打ち出されることを期待しています。
もう時間がないのです。
過去の延長線上のことしかやらない、他に先行事例がないと決断しない、現場がどうして良いか分からない具体性のない花火の打ち上げばかり、目先の利益のためにお客様に犠牲を強いても馬の耳に念仏、人的資本やリレーションシップキャピタルの崩壊から目を背ける、、、こんなことで良いのでしょうか。
他金融機関との連携はもっと踏み込めるのでは、他業態と外部連携のレベルアップは(丸投げは厳禁ですが)、そもそも上場している意味がありますか、、、言いたいことは沢山あります。
冒頭の知人曰く、
「そういう可能性があるのなら、なぜそれに向けて突き進まないのだ」
コメント
金融機関、金融関係機関、総じてそのように感じます。私は金融業界の端っこに関係してはおりますが、企業支援や再生の分野だけの関わりですから
殆どが『金融関係以外』の人々と、その勤務時間も費やされます。
社内政治と自己保身、あと評価だけを気にしていれば、一定以上の待遇が得られる。もともと安定思考の人々の集まりですから、一様に変革に向かうハードルは高いなぁと感じています。
意思決定や、残念ながら仕事や判断のスピードも、私が今まで関与してきた業界の中では最も遅く、その精度も低いのは事実だと思います。
昔の日本海軍と同じで、各種兵科学校を良い成績で出た人から順番に、安定安泰の大型戦艦に乗れるように、学校出るまでは優秀な人が多いのですが、そこからは、下らない社内政治と組織内競争程度のレベルでしか揉まれてませんから
ビジネスマンとして、社会人としては、どうしても訓練不足は拭えない。それが実態なのかな。と思ってます。
ただ、極めて小さい領域でもユニットでも、正しい戦法と目標を示すと、『遠い昔の優秀さ』が短期間で蘇るのも、この業界に属する人々の凄みでもありますね。
当たればホームラン、投げれば楽々160キロな人の集まりですから、上手く運べは日本を救う集団になれるのに…
といつもいつも思います。