4日の旅芸人ブログで、金融行政方針2022のキモは「コラム9」であるとの話を紹介しました。
本日の日経全国版では、二カ所にわたって仕組み債販売の停止・見直しに関する記事が掲載されています。
そのうち地銀に関する記事の方には、
https://www.nikkei.com/paper/article/?b=20220915&ng=DGKKZO64337140U2A910C2EE9000
“コラム9”が明記されています。
~金融庁は行政方針の中に「地域銀行における金融商品販売を含むリテールビジネスの持続可能性」というコラムを掲載した。金融庁はそもそも受け取る手数料が不明瞭な点を問題視していた。調べてみると仕組み債に依存した収益主義が横行している実態だった。金融庁は沈黙を守る地銀には必要に応じて立ち入り検査も辞さない構えだ。(記事より抜粋)
さて、
仕組み債が跳梁跋扈する背景には、量的緩和によりリスクプレミアムが潰れた状態となり、わずかなリターンを上乗せするために膨大なリスクテイクを余儀なくされる状況のなかでも、高い利回りを求める個人がいることがあります。
レバレッジを効かせれば(デリバティブの世界でよく使う言葉、リスク量を何倍もにすること)、いくらでも表面金利を高くすることはできますし、その中から多額の手数料を抜き取ることは赤子の手をひねるが如きです。仕組み債というのはそういうものです。
こういう手法を銀行という、地方では絶大な信用力のある組織が、素人さん相手に使うことは禁じ手です。
森信親長官の時代に、地域金融とともに資産運用の改革が始まり、顧客本位の業務運営、フィデューシャリー・デューティーが強く求められるようになりましたが、昨今、それが形骸化していることは由々しき問題です。
単なる仕組み債云々でとどめ置く話ではありません。
「喉元過ぎれば、、、」で、目先の利益を追うだけの悪しき経営体質をどう矯正するか。
監督当局だのみではなく、まずは当事者たち、さらには地域全体で対処しなければならない問題です。
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