コロナ禍の中でも中小小規模事業者の経営支援や事業再生支援に知らんぷりを決め込んでいた、レイジーな金融機関や信用保証協会においても、惨状を見るに見かねた若手中堅層から、
「単なる資金供給、保証で任務完了とするのではなく、中小小規模事業者の事業変革に少しでも資するべく汗を流そう」
との声が上がっています。
組織がソッポを向く中で、改革派の中堅若手たちが独自に外部との連携を深める動きが顕著になっていますが、その動きがレイジー組織を変えるには時間を要することを、もどかしく思っています。
レイジー組織のガン細胞は、経営陣とそこに尻尾を振る幹部層の中にあるのですが、権限が集中している彼らの言種は、
① 我々の組織がやることではない、
② 我々にはそのための人材が揃っていない、そういう人材育成を行っていない、
という無責任極まりないものです。
① についてですが、リレバンあり方WG報告書「リレーションシップバンキングの機能強化に向けて」(2003年3月)の中で、事業者の経営改善・事業再生の「支援」に関し、
~早期に経営支援を実施し再生を図るための情報提供者としての役割と、そのための資金の供給者としての役割を果たすこと、
~早期に企業の再生に向けて乗り出すこと、そのためには再生可能な事業とそうでないものを見極めること、
と明確に記載されています。
資金回収だけではなく 経営支援・再生支援に取り組むよう求めているのですが、その後20年の各地域金融機関の経営改善・事業再生の支援を振り返って見ると、
「A」: 上記の取り組みを組織的継続的に粛々と行なってきたところ、
「B」: 自らの体力、収益力との相談の上、不良債権処理を進めてきたところ、
に二極化しており、Bパターンが多数派となっています。
また、
信用保証協会については、2018年の取扱業務改定に際し、経営支援業務の重要性がはっきりと明記されました。
「やることではない」と公衆の面前で言うのなら存念を聞いてみたいところですが、それに応じる度胸はないでしょう、内弁慶さん。
② は、サボっていたことを自ら認めることであり、語るに落ちるです。
こういう人たちはどこの組織にもいるものですが、それが経営層に就き居座るガバナンスの欠如、ここに問題があります。
コメント
このように本気でやる気がないことを表明している場合は、組織の中である沸点を超えれば180度方向性が変わる、本気のリレバンに舵を切る可能性はなくはないです。
一番問題なのは「なんちゃってリレバン」しかやってないのに経営陣は「我々はリレバンをやっている。お客様も理解している」と真剣に思っているケース。
この場合は気が付いたらステージ4で手遅れってことになりゃしないかと本当に危惧しています。
現経営陣は手遅れが発覚する前に船から降りているかもしれませんが、不幸なのは地域のお客様と志を持った若い行員たちです。