第二次小泉内閣の時代、ちょうど20年前の10月30日に金融再生プログラムが公表されました。
https://www.fsa.go.jp/news/newsj/14/ginkou/f-20021031-1.pdf
前書きには以下の通り、不良債権問題に2年余りで決着をつけようとの断固たる姿勢が示されています。
~日本の金融システムと金融行政に対する信頼を回復し、世界から評価される金融市場を作るためには、まず主要行の不良債権問題を解決する必要がある。平成16年度には、主要行の不良債権比率を現状の半分程度に低下させ、問題の正常化を図るとともに、構造改革を支えるより強固な金融システムの構築を目指す。
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主要行の資産査定の厳格化、自己資本の充実、 ガバナンスの強化などの点について書かれていますが、金融再生プログラムが大きな転換点となったことは間違いありません。
最後に下記の文言がありますが、まさに中小企業金融、地域金融の変革の号砲だったと思います。
~中小・地域金融機関の不良債権処理については、主要行とは異なる特性を有する「リレーションシップバンキング」のあり方を多面的な尺度から検討した上で、平成14年度内を 目途にアクションプログラムを策定する。
20年が経過し、金融検査マニュアルも役割を終え、金融機関の業務にも規制緩和がなされたのですが、残念ながら地域金融機関の現場は20年前に比べても弱体化しています。
地域金融機関はその地域における有力な雇用の受け皿であり、ITを駆使して、低コストを武器に参入してくる他業態と競争するには、労働集約型ならではのビジネスモデルに磨きをかけていかねばならぬのに、
と強い危機感を覚えています。