🎯「腹落ちするもの」か、「空念仏」か

このところ、地域金融機関の経営陣の話を聞いて感じること。

どこの地域金融機関も、経営方針・ビジネスモデル等にさしたる違いはないものの、「聞いていて腹に落ちるもの」と、「空念仏にしか聞こえないもの」に分かれます。(空念仏はそこいらの野次馬コンサルでも唱えることができるものです。)

空念仏を聞かされる度に、直感的に「成果につながらないだろうな」と思います。

「空念仏」と「腹落ち」の差は何か?

~ビジネスモデルなどの具体的施策の説明を受ける際の、主語が「自分か、お客さまか」

~事業変革に際し、「ハコモノ作りから入るか、従業員の意識改革から入るか」

が、ワタシならではの判断基準です。

「従業員の意識改革」を起点とする「企業風土の変革」は最難関ですが、とくに優越的地位の濫用で商売をしている金融機関(一部のトップ地銀に顕著に見られる)にとっては極めてハードルの高いものです。

しかしながら、地域金融機関は、ここに果敢に挑戦しない限り、未来を描くことはできません。

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コメント

  1. K司 より:

    『主語が「自分か、お客さまか」』まさにこの一言につきます。

    つい先日、現役時代に懇意にしていたお客様が訪問され「コロナ下で業績が低迷したので合実計画の策定を強要された」と不満を仰られました。
    私としては金融機関がお客様と一緒にPL改善計画を作って支援していくのは結構なことではと思ったのですが、お客様の不満点は以下の点でした。

    〇コロナが流行して間もないころで計画を立てようにも先が見えない状況で言われた。
    〇合実計画を作らなければ支援できないという強権的な立場からの要請であり、有無を言わさず金融機関からコンサルを導入してきた。
    〇足元、コロナの影響による業績低迷も回復し、また円安の影響で大幅に当初計画を実績が上振れしてきているので計画を作成しなおしたいと申し入れしているのに「当初の合実計画に沿ってやるように」との一点張りで聞き入れてくれない。

    よくよく考えるとこのご不満の原点も、主語が「自分か、お客さまか」に行きつくのだと思います。
    お客様のPLの改善が目的というより、合実計画策定による与信コスト増加の回避が目的でありその「立ち位置」がお客様に伝わるので不満になったのでしょうね。