「含み損や売却損が発生すること自体は仕方がない。問題は、金利上昇によって利回りが高くなった外債への投資を控えてしまうことだ。再投資をするには、外債の保有残高をいったん減らす必要がある。そのとき、多額の売却損が出てしまうためだ。地銀の頭取や市場運用部門の担当者と話すと、彼らの多くは「含み損がパンパンに膨らんでいて買えない」と言う。すでに一部の外債を損切りしているとはいえ、含み損はまだまだある。株や債券の売却で相殺できるならまだしも、これ以上売却損を出して決算に影響を与えることは避けたいのだ。」
14日の東洋経済オンライン「地銀はなぜ、外債投資で『失敗』を繰り返すのか」にある、小栗さん(和キャピタル社長)
の言葉です。
https://toyokeizai.net/articles/-/638767
この感覚、地域金融機関の経営陣で理解できる人はわずかです。
有価証券運用を打出の小槌だと思っているノーテンキはさすがにいなくなりましたが、金利上昇局面での債券運用の実体験者、もしくはそれを近くで見ていた人はほとんどいません。
理屈がわからないというのは経営者失格、理解しても決断できないということなのでしょう。
さらに今回は日銀特利のためにOHRを悪化させたくないという力が働いたことも否定できません。
地域金融機関のサクセッションプログラムに関わったことがありますが、「有価証券運用で背筋が凍ったことがある」というのも要件のひとつになるかも。