このところ立て続けに、地方銀行の現場力低下の話を聞きました。
「20年間、寝ていた」
とくに法人取引のところです。
~担保保証ありき、信用保証協会に丸投げ。
~パッケージ化されたものしかできない。
~経営支援や事業再生支援となるとお手上げ。
~15日に公表された「業種別支援の着眼点」を見て、呆然。
~預かり資産業務が金融仲介業務を骨抜きにした。
などなど。
それでも、かかる地銀の大本営発表は、コンサルだ、地域商社だ、とウイングを広げる話ばかり。
地域金融機関のコンサルなどは、お家芸である金融仲介業務があってのこと。
金融仲介業務を根本から立て直すとの声の出ない不思議。
コメント
多胡先生!
『地域金融機関のコンサルなどは、お家芸である金融仲介業務があってのこと。』
全くその通りだと思います。どれだけ人的資源を投下し組織的な態勢整備をしてコンサルのスキルを組織内に蓄積しても、コンサルのノウハウだけで言えば専業のコンサル会社に勝ることはできません。
しかし、企業が存続していくために必要な「金融仲介業務」を持ちながらのコンサルは専業会社になしえない強みを持っていると思います。それは外科手術の時に輸血なしになしえないのと同じです。
支援を受ける社長にとっても輸血をしてもらえる安心感があるからこそ、コンサル会社とは違った距離感でのリレーションを金融機関との間に築ずけます。
そうした関係性のなかでのコンサルは、専業会社のコンサルとは違う大きな成果を出せるものと経験上実感しています。
そうした意味でも、地域金融機関の使命を果たす(リレーションシップバンキングの遂行)ために、融資部門の果たす役割は大きいと思っています。そのあたりの話を2月の「地域金融変革運動体」の勉強会でお話しさせていただければと思っています。