🚩伴走支援という戯言(たわごと)

先週訪れた某地域では、地銀も信金も看板に掲げているのは「伴走支援」。

「課題解決」、「本業支援」、と耳触りの良い言葉が満ち満ちていました。

しかるに、2期連続赤字とか、債務償還年数が長期化、さらには債務超過のような業況の悪い中小小規模事業者(コロナ禍で急増)に対しては、自らはノーリスクのゼロゼロ融資を出して任務完了。融資実行後は顔も出さない。

すべての金融機関がそうでした。

彼らのいう伴走支援ってなんなんだろうと思います。

ビジネスマッチングの提案をしている、事業承継の相談に乗っている、人材確保に苦しんでいるので外部業者を紹介しているなどなど、

でも、その前にやることがあるでしょう。金融機関なんだから。

中小小規模事業者が地域金融機関に対して一番求めているのは、①お金のことばかりから解放され、事業に専念できる状態にしてくれること、②さらには業況が厳しいなかでもキャッシュフローを生み出せる事業に対しては、躊躇せずニューマネーを出してくれることです。

これに対応できる金融機関こそが、伴走支援を行なっているといえるのではないでしょうか。

ニューマネーなんてもってのほか、と宣う金融機関だらけですが、2019年に廃止になった金融検査マニュアル時代のままですね。融資に関するディスカッションペーパー(DP)を読んだことがあるのかと、疑いたくなります。

DPに関わったワタシとしては腹立たしい。

9月に公表されパブリックコメントを募っていた、ディスカッションペーパー「検査マニュアル廃止後の融資に関する検査・監督の考え方と進め方」の最...

DPに反映されたことを黙殺し、中小小規模事業者の再チャレンジを助けようとしない地域金融機関は、レイジーバンクそのものです。

コロナ関連融資で極大化した中小小規模企業の債務額。 いよいよ返済が本格化するとザワザワしていますが、企業が債務を減らそうとすれば、P...

コメント

  1. 諏訪信用金庫 ビジネスサポート部 奥山真司 より:

    巷では「課題解決」「本業支援」が溢れかえっています。より一層、自戒の念を持って取り組まなければならないと考えております。

    ①「課題解決」の前にそもそも「課題の発見力」が不足していないか?
    ②「本業支援」の前にそもそもお客様企業の利益の源泉を理解しているか?
    ③金融機関サイドが主体となって考えたフィー主体で偏り過ぎの「課題解決」「本業支援」メニューとなっていないか?

    アフターコロナとなり、業況が回復してくるとキャッシュも必要となってきます。今までの延命的な資金では無く、真の登坂資金が必要となります。しっかりと「本業の融資」で追い風をキャッチアップ出来るよう取り組みたいと考えております。