「地銀を見ていると本当に成長戦略があるのかと思う。成長戦略がなければ PBR のアンダーパーは当然でしょう。」
株式市場を熟知する、ある有識者がワタシに言ったことです。
話を聞いていて、地域金融機関の成長戦略は地域の持続と成長があってのものであり、そのためのリスクマネー供給に躊躇する姿勢のままなら、上場の意味はないと改めて感じました。
5日の日経朝刊の記事、「東証再編1年、統治改革仕切り直し 〜PBR1倍割れは8年で倍増 手元資金100兆円、投資進まず 」
https://www.nikkei.com/paper/article/?b=20230405&ng=DGKKZO69903470V00C23A4EA2000
内容はごもっともですが、
「上場企業数が多すぎることが、機関投資家のエンゲージメント(企業との対話)の機能不全を招いている」
との川北英隆さんのコメントが、
真に成長戦略のある(を持とうとする)地銀と機関投資家との間でしっかり対話してほしい、と切に願う旅芸人にズッシリと響きました。
機関投資家には、規模の大小でふるいにかけるのではなく、成長戦略のあるなしでエンゲージメントの対象地銀を決めてほしいのですが、表面つらだけでは、見分けることは難しいんでしょう。
規模が大きくなくても、大都市圏に立地していなくても、成長戦略を持って立派な経営をしている地銀はそれなりにあります。業界を熟知している機関投資家やアナリストからは「隠れた優良株」との評価を得ているのだそうです。でも知る人ぞ知るだから、PBRは悲劇的に低いところがほとんど。
こういう地銀がエンゲージメントの対象になるように、成長戦略を持っていない、持とうとしない地銀は、いいかげんに格好をつけるのをやめて、さっさと上場廃止してもらいたいものです。
コメント
多胡先生
確かに「地域金融機関の成長戦略は地域の持続と成長があってのものであり、そのためのリスクマネー供給に躊躇する姿勢のままなら、上場の意味はない」とは思いますが、上場を廃止して株価等の締め付けが無くなれば、そのような地銀経営者達は足元の収益確保の道をさらに突っ走るのではないでしょうか?
とにかく、金融機関の経営者のみならずすべての日本企業の経営者で5年後、10年後を見据えて経営できない経営者には退場してもらう、そんな環境整備ができないと日本経済は再浮上しないような気がします。
まあ、政治行政においても国家百年の計を考えず、選挙や省益のみを考えて行動する政治家や国家公務員も同じですが・・・。