日経の「私の履歴書」で印象深かったものは、それが本になったときに購入し、おりに触れて読み返しています。
ガバナンスに関して真剣に考えねばならない事案があり、
コマツの坂根正弘さんの「ダントツの強みを磨け」(日本経済新聞出版)にあるコマツウェイのガバナンスの箇所↓にあたりました。
~「まずは、「取締役会を活性化すること」です。取締役会のメンバーの数は多くても 10名程度にしないと、活発な意見は出てきません。また、社外の人がいなければ、絶対に活性化しないでしょう。社内の人たちだけでは、社長にたてつくことができないからです。」そして、議題は、大事なものであるほど、まず「報告」があり、それから「討議」があって「決議」に至るようにしなければなりません。私は数社の社外取締役をやっていますが、いきなり決議を求められても何を言えばいいのかわかりません。「もっと早い段階から議題を出してください」とお願いしています。
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討議にならない取締役会をどう変えるか。
最近はそのことばかり考えています。
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO99825860Z10C16A4000000/
コメント
つまり、常時報告状態にしとけば良いのです。報告に会議の時間を奪われないように。
地銀と中小企業の運命で書きましたが↓
北國が電子会議で、すべての議論の経緯を可視化しているのは、会議の時間を議論に使うため。人の時間を大切にする銀行です。
京都信金の「よってたかって」も、人が人や案件に関心を持つことを大切な価値観にしています。これも会議を報告で終わらせない智慧だと思います。
実際に取締役会やその他の役員会議に関わってきて感じるのは、枝葉の意思決定まで経営トップが関わろうとし過ぎではないかなと。権限移譲したかぎりは現場に任せるべきは現場に任せ、現場の動きに修正が必要がある場合は現場とのミーティングで済ますべきかと思います。そのためには現場の動きの即時見える化が必要で、それは橋本様の仰る「常時報告状態」なのでしょう。
その上で経営の根幹について取締役会や役員会での活発な議論になるのが望ましいし、その中で社外取締役の存在は重要です。ただ、私が見てきた中ではなかなか社外取締役の歯にもの着せぬ発言はなかなかむつかしく、これはひとえに社外も含め役員の人事権が経営トップに集中していることに起因しているのではと思います。
橋本さんへ
信用金庫5月号、しんちゃんの本箱で「地銀と中小企業の運命」が紹介されていました。
現場支援人材の育成、自分事としての行動変容、生産性向上の3点の問題意識について示されている。締めは「信用金庫がこれからどのように地域で付加価値を創造していくか。若手から経営陣まで各役割に引き寄せて具体策が見つかる一冊である」と。
「捨てられる銀行」はセンセーショナルになりました。この本もそうなってほしいですね。周りが騒がないとなかなか本を読んでくれませんから。