隣の芝生の青さに目がくらんで我が家の庭は荒れ放題。
隣の芝生、ひとつは「預かり資産業務」。
今年はとくに政府の目玉政策ということもあり、運用会社の改革も含め新たな展開への期待が高まっていますが、ノーロードと積み立てがどんどん主流となる中で、従来は地域金融機関にとって決して収益性の高い業務ではありませんでした。
それでも無理やり収益を上げようとして、顧客本位から逸脱、仕組み債で墓穴を掘る始末。
高収益ではなくてもお客さまのためにやらねばならぬ重要な業務(←とくに地域を支えている立場の金融機関にとって)、一層の創意工夫が求められます。
もうひとつの隣の芝生は「業務の多角化」。
こちらは目下進行中ですが、収益の柱になるのはいつのことやら。
隣の芝生に目を奪われているうちに、我が家の庭は手入れを怠って、荒れに荒れ放題となっているのではないか。
お客さまが見たいのは我が家の庭。
隣の芝生と同じものが見たいのなら、躊躇なく隣に行くでしょう。
そもそもお客さまは、金融機関に対して、円滑な資金供給を求めています。金融機関の伝統業務は、ありがたいストックビジネスです。
最近はAIを駆使した他業態からの参入も無視できませんが、まだまだ金融機関がメインプレーヤーです。
手入れの行き届いた庭を見にくるお客さまと、仲良くなればいろんなビジネスチャンスをいただける、そこから新たな収益という展開が期待できます。
手入れの行き届いた庭があるからこそ、業務の多角化が生きてくる。
隣の芝生を眺めて羨ましがっている場合じゃないと思うのですが、、、
昨日公表された金融行政方針2023。地域金融のところは金融機関に「経営力を問う」ものですが、まずは自分の庭の手入れから始めましょう。