「陳情による補助金頼みの行政から『稼ぐ行政』への脱皮が重要。地域は経営するものという視点を持ち、トップ自らが情熱と本気度を示さなければ」
2018年5月24日の日経夕刊、山内道雄さんが12年間務めた海士町長(島根県隠岐島)を辞するときの記事にあった言葉です↓
橋本卓典さんの「記事にできない金融ウラ話」の第1回~第3回ゲストである木下斉さんの話と同じものを感じます。
翻って、
中小小規模事業者への支援。
補助金が重要な役割を担っています。
事業者支援の補助金の必要性を否定する気は毛頭ないのですが、山内さんや木下さんの話にある通り、
まずは当事者である事業者が補助金ありきではなく、本気度を持って現実に向かい合うことからです。
このことは先日お目にかかった中嶋修さん(板橋区立企業活性化センター長)の話からも強く感じたところです↓
中嶋さんは、コロナ禍、諸費用の急騰(サプライサイドの問題に円安が覆い被さる)、そして人手不足と、心が折れてしまいそうになる事業者さんたちに寄り添い、日々、資金繰り/事業の相談に乗っています。
いまこそ、中小小規模事業者さんには中嶋さんのようなパートナーの存在が不可欠、日頃の取引関係がある金融機関、信用保証協会、さらには支援組織や士業の人たちの出番なのですが、
彼らが補助金ありきでは話になりません。補助金はあくまでも手段のひとつ。
補助金に群がるコンサルなどという話を聞くと虫唾が走りますし、補助金申請の手伝い(手数料を取るケースも)でおしまい、それで伴走支援と胸を張る地域金融機関を見ると、
伴走支援はそれじゃないだろうと言いたくなります。
ゼロゼロ融資で一丁上がりにしても、補助金申請の手伝いで伴走支援と嘯くにしても、プロダクトアウトそのもの。
金融行政方針2023で、唯一残った地域金融の具体的施策「事業者支援」とは程遠いものがあります。
コメント
補助金はモルヒネとして使うのか、麻薬として使うのかで大違いです。
事業再構築も新事業に人手を割かなくてはならなくなったり、維持メンテコスト、損金算入など税への影響など、落とし穴はいくつもあります。
こういうフォロー(伴走)をしていないコンサルは多いように感じます。融資も補助金も出しっぱなし、取りっぱなしは全然伴走ではないですね。事業者の損益改善なくして、伴走を語るなかれです。
ただし、もちろん伴走者がかけられるコストも無尽蔵ではありませんから、デジタルツールも駆使して、コスト・リターンのバランスを取りながらやる賢さが問われます。すなわち、経営力です。この意味でも伴走を語るなかれ、です。