本日の日本経済新聞の記事、「大阪金利で地銀苦境」の中の一文です。
=「金利が2~3%から1~1.5%に下がった」。大阪市のアパレル関連会社の経営者は喜ぶ。昨年秋まで信金1行から融資を受けていたが、今年6月までに大阪の地銀や兵庫県の信金など4行に切り替えた。「黒字転換してから、奈良県の金融機関を含めアプローチが増えた」と笑う。=
この企業が黒字転換する過程で、かつてのメインバンクである信用金庫 (1行取引) は、どのような対応をしたのでしょうか?
メインバンクは、赤字の状況であってもしっかり財務面から支え、販路拡大による売上増大等の本業支援面で貢献したのでしょうか?
もしそうだとしたら、この経営者は典型的なトラバン社長 (1月29日、3月13日のブログをご参照ください) です。業況が悪くなったときに、どこの金融機関も助けてくれない (かも) という大きなリスクを、目先の低金利を対価に取ったことを肝に命じなければなりません。
一方、自力による黒字転換なのであれば、立派なものですが、新たに取引を始めた4つの金融機関の中から、どこが頼りになるメインバンクとなりうるか、単なるぶら下がりか、を冷静に見極めてもらいたいものです。
黒字転換したら雲霞のごとく現れた金融機関 (越境も含め) は、レイジーバンクの可能性が高く、いざという時に頼りにならないと考えたほうが無難かもしれません。
メディアには「黒字転換したのでメインが替わった。取引金融機関が増えた。」という陳腐なファクトにとどまらず、このぐらいのことは突っ込んで取材、報道して欲しいものです。