富国生命保険のことは、旅芸人ブログでも何度か書いています。
30数年前に多くの生命保険会社が高利回り保険商品で規模を追いかけ、無理な運用に走り、バブル崩壊とともに破綻し、消滅か再編に追い込まれるなかで、富国生命保険は一線を画した独自路線を貫いていました。
富国生命では現在100周年に向けてのプロジェクト(ザ・ミューチュアル100)が進行中ですが、それに関する同社のホームページに、
秋山智史・前社長(第8代)のインタビュー
「お客さまを守るということ」
があります。
https://fukoku100.jp/anniversary/way/01/
秋山さんは財界四天王のひとり小林中(こばやしあたる)翁の秘書を長年務めたあと、財務部長などを経て1990年代の金融危機の真っ只中に社長に就任したのですが、
その保険会社淘汰の時代を勝ち残った経営姿勢は、再編淘汰が問われている地域金融機関にとって大いに見習うべきものがあります。
〜20年にわたる小林中氏の秘書経験で学んだ真理の一つに、対等な合併は存在しないということがあります。対等の精神とはいえ、実際はどちらかが強くて、どちらかが弱い。合併をするならば、食うか食われるかの闘争をやらなければならない。それをやりたくないなら、合併なんてやるものではないと思っていました。富国生命保険相互会社という社名の上にも下にも横にも他の名前を入れない。誰がなんと言っても合併はしない。これから先は分からない。でも、私は正しいことをやったと思っています。(本文より)
地域密着という視点も生命保険会社のなかでは群を抜いており、このインタビューは地域金融に関わる人間にとっても必読です。