毎日のように地域金融機関の外部連携に関する報道があふれています。
DX、SDGs、知的資産などなど、ポストコロナに向けて中小小規模事業者が事業変革を進めていく上で、必要不可欠な分野を外注することは頷けるのですが、
あえて念を押しておきたいことがあります。
いつもの旅芸人ブログの論旨で恐縮ですが、
「地域金融機関はあくまでもお金のプロである」
ことを忘れてもらっては困るのです。
連携を「DXやSDGsに取り組んでいますよ」とのアピール材料にするのは論外ですが、外部連携先の斡旋ありき、それに伴う手数料狙いで件数を追いかけるようだと本末転倒。心ある連携先が望むこととも違うと思います。
そもそも、金融機関は連携先の販売会社ではありません。
かつて某JAで見た、入浴剤のノルマ販売で困惑する職員さんたちの姿を思い出します。
旅芸人~「なぜ、入浴剤の販売をするのですか?」
JA生活購買部長~「農作業で疲れた身体を休めるために入浴剤は必要ですから」
旅芸人~「車で5分のところに温泉地がたくさんありますけど、、、」
話を戻します。
「お金のプロ」であれば、その資金が有効に使われるように(←ここが大事)、事業の面でも手伝えること(←本業支援)があれば、それをいとわない。金融機関には地域屈指の外部ネットワークがあり、それを駆使することが本業支援の一助となる。
こういう流れのなかから外部連携が出てくる、これが本筋ではないでしょうか。
お客さまにDXやSDGsなどのニーズがあるだろうから、連携先の商品サービスを売り込もう(それも件数目標を張り付けて)、こんな安易な商品サービスありきの丸投げプロダクトアウトは、“なんちゃってリレバン”の地域金融機関がたどる道であり、大きな成果につながるとは思えません。
外部連携を発信するメディアには、打ち上げ花火で終わらないよう、その後の進捗状況と検証の報道をお願いします。
コメント
「車で5分のところに温泉地がたくさんありますけど、、、」
コントのネタに使えそうですね。
あるメガバンクさん、企業の脱炭素支援として系列会社のEV販売の取次をするとのこと。メガバンクさんも飯のタネ探しにいろいろと一生懸命です。
JAさんの例もこの類なのか。信用組合も保険だ情報取次だ等々取次業務を展開しています。願わくはそれが組合員のことを真に考えて始めたことであったほしい。そうであれば、数字が先行する企画にはならずまた実績を外にアピールする必要もありませんから。